ソーシャルレンディングの不動産ファンドを見極めるポイント

ソーシャルレンディングの不動産ファンドを見極めるポイント

こんにちは、A氏です。
ソーシャルレンディングの代表的なファンドとして真っ先に頭に思い浮かぶのは不動産ファンドです。

しかし不動産ファンドといっても、ソーシャルレンディング事業者や案件ごとに特徴が異なるため、どこに注意して投資したら良いのか分からない人も多いでしょう。

そこで今回は、不動産ファンドに投資する際に押さえるポイントを解説します。

ソーシャルレンディングにおける不動産ファンドとは

まずはソーシャルレンディングにおける不動産ファンドの概要について、簡単に解説します。

不動産ファンドの概要

ソーシャルレンディングの不動産ファンドは、ソーシャルレンディング事業者を通じて募集した投資資金を不動産事業者に融資するファンドを指します。
投資家資金の安全性を高めるために不動産が担保として設定されているファンドも多くあります。

ソーシャルレンディングの不動産ファンドのポイント
不動産ファンドの概要図

不動産ファンドの貸付→返済の流れ

ソーシャルレンディングの不動産ファンドは、以下のような流れで資金が活用されます。
※スキームや分配スケジュールによって異なります

  • 借り手はソーシャルレンディングで得た資金で不動産物件を建設、または販売在庫を購入した後に販売する
  • 貸付期間中、借り手は一定期間ごとに借入金の金利分をソーシャルレンディング事業者を通じて投資家に支払う
  • 借り手は不動産物件の販売から得た売上を原資として、借入金の元本を返済する

不動産ファンドを扱うソーシャルレンディング事業者

不動産ファンドを扱うソーシャルレンディング事業者は多数あります。
不動産ファンドに特化した事業者もあれば、他テーマのファンドとともに取り扱っている事業者もあります。

不動産ファンドのリスク

不動産ファンドの主なリスクは以下の通りです。

  • 1. ソーシャルレンディング事業者の業績が悪化し、預け入れた資金の一部 or 全部が戻ってこないリスク
  • 2. 融資先企業の事業が不調などで、元本・分配金ともに遅延するリスク
  • 3. 融資先が債務を果たせない場合、担保不動産の売却で得たお金から返済されるが、不動産価格の下落などによって元本以下しか返済されできないリスク

1と2は、ともにソーシャルレンディングの全ファンドで共通のリスクで、3が不動産ファンド特有のリスクです。
「担保として設定された不動産が本当に投資家の安全性を高める内容になっているか」を知ることが、不動産ファンド特有のリスクを回避する術と言えます。

なお、ソーシャルレンディングでは動産担保が設定されている場合もあります。その場合、不動産担保同様に対象の担保の価格変動などが考えられます。

次に不動産担保の評価方法について見ていきましょう。

不動産ファンドは担保評価額が重要

不動産担保の評価とは、専門家が地価や物件面積などいくつかの客観的指標を組み合わせて、担保となっている不動産の価格を算出することを指します。

不動産担保評価の見方

不動産担保を評価する際には、「評価額」と「抵当権の順位」を確認することが大切です。

ソーシャルレンディングの不動産ファンドのポイント
貸付金と担保評価額の関係図

「評価額」とは売却時の目安金額であり、評価額が貸付金を上回っていれば、貸し倒れなどの際に担保不動産を売却して貸付金を回収できる可能性が比較的高くなります。

元本割れが嫌であれば、「貸付金 < 担保評価額」であるか確認しましょう。

ソーシャルレンディングの不動産ファンドのポイント
抵当権の順位の概要図

もう一方の「抵当権の順位」とは貸し倒れなどの際に担保不動産を売却して得られた現金を受け取る優先順位です。
順位が高い貸付金から優先的に返済されていくため、順位が低い場合は貸付金の一部 or 全部を回収できない可能性が高まります。

誰が担保評価をしたのか?

このように不動産ファンドの安全性を測るうえで担保評価が重要なわけですが、「誰が評価したのか?」を知ることも同じく大切です。

例えば借入した企業やソーシャルレンディング事業者が独自に担保評価を行う場合、適正な評価ができてないリスクが考えられます。

仮に担保評価を事業者側が行なっている場合は、適正な担保評価ができる人が担当しているかどうか気をつける必要があります。
できれば、第3者機関によって担保評価されていることが理想的です。

ソーシャルレンディングの不動産ファンドの案件説明には評価者情報を記載していることがあるため、評価額の中立性をチェックするために必ず確認しましょう。

おさえておきたい不動産の3原則 : 立地・利回り・稼働率

不動産投資では、立地・利回り・稼働率という3指標が重要と言われます。

ソーシャルレンディングの不動産ファンドも、結局のところ借り手企業が不動産投資を行っているわけですから、立地・利回り・稼働率の3原則は大切です。

しかし、この3つの指標が全て優れている不動産物件は多くありません。
一般的に立地が良ければ稼働率は高い一方で利回りは低くなり、立地が悪ければ稼働率は低く利回りが高くなる傾向にあります。

ソーシャルレンディングの不動産ファンドのポイント
不動産の3原則のトレードオフの関係

例えば不動産ファンドを専門に扱うオーナーズブックは、徹底して都内の好立地な不動産を手掛けています。それゆえに案件利回りは4~5%で設定されることが多く、他のソーシャルレンディング事業者の不動産ファンドよりも低くなりがちです。

これはオーナーズブックが立地や稼働率などの安全性に配慮したことで起きる当然の結果です。
逆に立地・利回り・稼働率の全てが優れているようなファンドがあれば、注意する必要があります。

ソーシャルレンディング事業者ごとの情報量の違い

不動産ファンドの担保評価をしたくても、やはりソーシャルレンディング事業者ごとに情報の量や質が異なります。

情報量が少ないのはもちろん避けたいですが、多くても重要な情報が載っていない場合にも気をつけましょう。

そこで不動産ファンドを専門に扱うソーシャルレンディング事業者ごとに、担保不動産の最低限欲しい情報の有無を下表の通りまとめました。
ファンド選びの参考にして頂けると幸いです。

事業者 担保の有無 評価額 立地情報 その他
アメリカンファンディング
あり

記載あり

あり
アメリカ不動産
ガイアファンディング
あり

記載あり

あり
アメリカ不動産
オーナーズブック
あり

記載あり

あり
東京都心部
LCレンディング
一部無し

記載あり

都道府県のみ
国内地方
タテルファンディング
あり

記載あり

あり
全国都市部
ラッキーバンク
あり

記載あり

あり
東京都心部

※2017年9月12日時点の募集中案件から情報収集
※クラウドリアルティも不動産専門のソーシャルレンディングと区分されることが多いが、他の事業者とスキームが異なるため比較表から除く

こうして一覧にしてみると、不動産専門のソーシャルレンディング事業者はそれなりに情報が揃っていることがわかります。
その情報をいかに収集して評価するか、投資家の腕の見せ所と言えます。

十分な担保に見えてもリスクはある

ここまで担保評価の見方について解説してきました。

しかし、上記の内容を踏まえて担保情報を確認しても、絶対に大丈夫ということはありません。

「思わぬところに落とし穴あり」です。そんな例をいくつかご紹介しましょう。

不動産価格の下落

株式や為替ほどではないにしても不動産価格は下落することがあり、それが担保不動産の評価額を押し下げることがあります。

貸付金に対して担保評価額が上回るから投資したのにも関わらず、不動産価格の下落によって貸付金を担保できなくなる可能性があるのです。
将来の不動産価格を正確に予想できれば良いのですが、難しいでしょう。

そこで私は不動産価格の下落リスクの影響を軽減するため、以下のような基準を設けてファンドを選ぶようにしてます(参考まで)。

  • 貸付金に対して余裕ある担保評価額のファンド(貸付金の120%程の評価を目途)
  • 貸付期間が比較的短いファンド

不動産担保が付かない不動産ファンド

最後は不動産ファンドなのに不動産担保が付かないファンドがあるという落とし穴です。
実際に、不動産ファンドのタイトルで募集し、「担保あり」と記載があっても、担保に不動産が付いてなかったということもあります。

不動産事業に融資するといっても不動産担保が必須というわけではありません。
投資家は案件説明を熟読する、もしくは担保評価額の情報の有無を探せば、不動産が担保になっていない案件にも気付くことができるでしょう。

自分の資金を投資すること一定のリスクに晒すことでもあります。投資の際はファンドの内容に十分注意しましょう。

まとめ

最後に今回の投稿をまとめます。

  • ソーシャルレンディングの不動産ファンドに投資する際は、不動産が担保になっていることを確認し、貸付金と担保評価額のバランス、及び抵当権の順位から安全性を評価すること
  • ソーシャルレンディング事業者から提供される担保評価額を鵜呑みにせず、評価者情報や不動産投資の3原則(立地・利回り・稼働率)に照らして不可解な点がないか確認すること

以上、今回はソーシャルレンディングで不動産ファンドに投資する際の注意点について、まとめました。

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