ソーシャルレンディングは元本保証?元本保証型の資産運用と比較しました

ソーシャルレンディングは元本保証?元本保証型の資産運用と比較しました

順調に市場拡大を続けるソーシャルレンディングについて、リスクを意識せずに安全と思い込んでいる方もいるようです。

元本保証型の金融商品ではないソーシャルレンディングですが、今回は改めて元本保証型の金融商品との比較を行いました。

年利回り5~10%とインカムゲイン型の投資として高い利回り水準のソーシャルレンディングは、もちろんリスクも孕むと認識することが大切です

ソーシャルレンディングは元本保証ではない

過去3年間におけるソーシャルレンディングの貸し倒れは0件です※1
こうした状況から、ソーシャルレンディングは元本保証型の投資商品と認識する方もいるかもしれません。

しかし、ソーシャルレンディング投資は元本保証ではありません。

ソーシャルレンディングで資金が集められて最終的な分配がなされるまでに、日本では下記の流れで行われるケースがほとんどです。

  • ソーシャルレンディング事業者がファンドを募集
  • 投資家がファンドに投資
  • ファンド成立後、ファンドより企業等へ資金を貸し付け
  • 融資を受けた企業等はファンド期間終了時までに金利を付けて資金を返済
  • ファンド期間終了後もしくは運用中に、事業者は投資家に対し投資元本及び金利を分配

ソーシャルレンディングは融資型クラウドファンディングと言われるように、インターネットを経由して調達した資金で企業等に対し融資を行うものです。
しかしながら日本では法律上の問題もあり、一旦ファンドという形を経てそのファンドから融資を行うことで、ソーシャルレンディング事業が行われています。

個人より集めた小口の資金を大口化し、借りて企業に融資する仕組みのため、借り手企業が債務を果たせない場合は貸し倒れとなります。

もちろん、貸し倒れという自体を極力避けるため、事業者はファンド募集の際に企業等から担保や保証を取るケースがあります。
それにより貸付先から資金が返済されない際には、「担保の売却による資金回収」、「保証会社からの保証料受取」「融資先の社長等の個人からの資金回収」などを行うことで、ファンド資産の毀損が生じないようにします。

貸し倒れのリスクはあるソーシャルレンディング投資ですが、担保や保証の設定により、保全性を高める工夫をしているのです。

しかしいくら安全性の高い仕組みとは言っても、担保割れや保証人の破産等で資金が回収できないリスクがある点は認識しておきましょう。
ソーシャルレンディングが元本保証型の金融商品ではないという点は常に留意する必要があります。

元本保証型の資産運用方法との比較

それでは元本保証型の資産運用商品とソーシャルレンディングの比較を行います。
ソーシャルレンディングでは案件により異なりますが、年利回り3~10%というのが大枠の利回りとなります。

定期預金

日本人が最も親しみがある資産運用商品は、定期預金と言えるのではないでしょうか。
期間1年の定期預金金利はメガバンクで0.010%です※2

低金利下の日本で、定期預金では十分な金利収入は期待できないため、資産運用と言うよりは余裕資金の退避先との利用が多くなっているようです。

個人向け国債

元本保証型で個人投資家にも知られているのが個人向け国債です。

3年の個人向け国債の表面利回りは0.05%となっています。
定期預金の5倍とはなりますが、こちらも運用と言うより余裕資金の退避先との利用とならざるを得ない金利水準となっています。

元本保証に近い資産運用方法との比較

元本保証に近い資産運用方法との比較

元本保証はなされていないものの、元本保証に近い資産運用商品も存在しています。
それらの商品と金利の比較は下記となります。

地方債

都道府県と言った地方自治体も債券を発行しています。
元本保証ではないものの、日本の地方自治体がデフォルトしたケースもないため、元本保証に近い商品となります。

しかしながら日銀によるマイナス金利導入以降、個人向けの地方債はほとんど姿を見ない状況となっています。しかしながら機関投資家に対する発行は行われています。

2017年8月10日に発行された東京都10年債の利回りは0.180%となっています。

現在は個人では購入する機会のない地方債ですが、国債以上の金利が付くことがほとんどとなっています。

社債

個人投資家は証券会社を通じ、上場企業が発行する個人向け社債の購入ができます。
企業が発行する債券であるため、企業が倒産の場合は損失となる可能性が高いのですが、上場企業という信用力のある企業が発行するため信用力が高いと捉える方も少なくないようです。

2017年7月に発行された電源開発株式会社の10年債は利回り0.415%となっています。利回りは企業の信用力と発行年数により大きく変わります。

一方、17年3月に発行されたソフトバンク7年債の利率は2.03%となっています。ソフトバンクの個人向け社債は、その金利の高さもありコンスタントに発行される人気商品です。

公社債投資信託

証券会社が販売の投資信託の1種であり、社債や地方債等の債券や短期金融資産等を組み入れたものです。代表的な商品としてはMRFがあげられます。

日銀のマイナス金利導入以降、MRFの金利はほぼ0%となっています。

ソーシャルレンディングと元本保証型資産運用はどちらが良いのか

投資資金の性質及び投資家のタイプにより、元本保証でないソーシャルレンディングと元本保証型資産運用商品の選択は異なるため、「運用先がどちらがよい」と一概には言えません。

リスクを全く取りたくないという方であればソーシャルレンディングは避けるべきです。
一方で、リスクを取っても資産運用を行いたい、と言うのであればソーシャルレンディングは投資対象として検討可能です。
もちろんリスクの許容度によってはFXや株式などの投資を検討する余地もあるでしょう。

ソーシャルレンディングの取り組み方は投資家のリスク許容度にもよりますが、少なくとも分散投資の意識なく投資可能金額を一気に同じ案件に投じることは避けるべきです。

ソーシャルレンディングは元本保証がなされていないので、分散投資が必要不可欠となります。
ソーシャルレンディング投資を手掛ける際は、元本保証型の商品ではほとんど意識をしない分散投資の意識を充分働かせることが、イザと言う時の備えになります。

まとめ

各事業者の努力もあり、一部には安全とのイメージもあるソーシャルレンディングですが、元本保証型の金融商品ではなく、元本毀損のリスクのある商品となっています。

値動きがなく定期的な分配金はあるものの、リスクという観点ではソーシャルレンディングと元本保証型の運用商品は全く異なる存在であることは、充分に認識すべきと考えます。


1) 2017年1月20日現在
2) 2017年9月現在