夏休みに読みたい!ソーシャルレンディング投資に役立つ本3選

夏休みに読みたい!ソーシャルレンディング投資に役立つ本3選

こんにちは。中田健介です。
この時期は、夏休みなど落ち着いて読書できる時間が取れる方も多いでしょう。
そこで今回はソーシャルレンディング投資にも役立つお金や投資に関する書籍を3冊ご紹介します。

自動的に大金持ちになる方法-オートマチック・ミリオネア-

夏休みに読みたい!ソーシャルレンディング投資に役立つ本3選

自動的に大金持ちになる方法-オートマチック・ミリオネア-
デヴィッド・バック (著), 山内 あゆ子 (訳)
出版社: 白夜書房  発売日2004年7月9日

概要

著者はアメリカの著名な資産コンサルタント。日本語版解説は森永卓郎氏が書いています。

多くの人が「お金持ちになりたい」「老後のために貯蓄しなければ」と思いながら、実際には収入のほとんどを日々の生活のために使ってしまい、なかなか資産形成ができずにいます。
こうした人たちは、資産ができないのを収入が低いせいだと考えがちです。

しかし、この本の著者は、収入が少ないことと金持ちになれるかどうかはあまり関係がなく、多くの人が資産を築こうとしてもなかなかできないのは、それが「意志の力を必要とする」からだと述べています。

本書で提示されている「自動的に大金持ちになる方法」は非常にシンプルです。

「無駄遣いを減らす」
「住宅ローン以外の借金をしない」
「まず自分自身に支払い、決まった額を積み立て投資する」
「それらをすべて自動化する」

というだけです。

「まず自分自身に支払う」というのは、税金を支払うよりも先に給与所得の10%~20%を自分の資産とするという意味で、具体的には投資分の所得税が控除される401k(日本でいう確定拠出型年金)などを利用するということです。
そうして確保した資産は、株式・債券などを一定のバランスで含むファンドに投資することが推奨されています。

ポイントは、これらのプロセスを全て毎月自動的に行われるようにしておくということです。

そうすれば意志の力を必要としないので、誰でも実行でき、忘れていても資産が形成されていきます。

また、長期的に投資していれば複利効果が働きます。
例えば40年間にわたって毎月決まった額を投資し続ければ、パフォーマンスが年率6%の場合、資産は実際に投資した額の4倍以上になります。

ソーシャルレンディング投資に役立つ点

著者の言う通り、毎月余ったお金を貯蓄・投資に回そうとしてもなかなかうまくいかないことが多いでしょう。
ソーシャルレンディングなどの投資に興味はあるけれどもそもそも投資資金を作れない、という方には参考になると思います。

本書はアメリカで書かれているため、紹介されている投資商品の中には日本では投資できないものもありますが、同じタイプの投資商品を探して投資することはできます。
また、近年は日本の確定拠出型年金も対象や投資できる金額が豊富になっており、本書で推奨されている方法と近い運用ができるようになりつつあります。

なお、現在のところ、自動的に積み立て投資のできるソーシャルレンディングサービスはまだありません。
残念ながら入金やファンドへの投資といった毎月手作業で行わなくてはならない部分は残ってしまいます。今後自動化のサービスが登場することを期待したいと思います。

それでもソーシャルレンディングは比較的手間のかからない投資です。意志力によってはソーシャルレンディングも合う投資方法といえるでしょう。

ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?

夏休みに読みたい!ソーシャルレンディング投資に役立つ本3選

ファスト&スロー(上)(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ダニエル・カーネマン (著), 村井章子 (訳)
出版社: 早川書房  発売日: 2014年6月20日

概要

著者ダニエル・カーネマンは認知心理学者で、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

本書で取り上げられているのは、「人間が必ずしも合理的とは言えない判断や選択をするのはなぜか」というテーマです。

著者は、人間には「早い思考」「遅い思考」の2つがあると述べており、それぞれを本書ではそれぞれ「システム1」「システム2」と名付けています。

システム1は直感的思考のことです。
例えば、人の顔写真を見て、その人が怒っているか、笑っているのかを即座に判断したり、「フランスの首都は?」といった問いに対して答えることができます。
このシステム1はほとんど努力や注意力を必要とせず、ほぼ自動的に行われます。

一方、システム2は熟慮を要する思考です。
例えば「17×24」の答えを計算したり、2種類の洗濯機を総合的に比較する、といった時に行われます。システム2を実行するには注意力や努力を要します。

これら2つのシステムが物事の判断や選択の際に影響を及ぼし、時には異なる判断を下したり、誤った決定をすることを様々な観点から検証しています。

ソーシャルレンディング投資に役立つ点

投資家にとって特に興味深いのは、経済学に関する意思決定の問題を取り扱った第4部でしょう。

例えば、本書で紹介されている以下の例では、あなたはどのように判断するでしょうか。

あなたは娘の結婚式の費用を捻出するために現金が必要で、手持ちの株をいくらか売るつもりでいるとします。(中略)。
保有株の中ではブルーベリー・タイルズが「勝ち組」で、今日売れば5000ドルの利益を確定できます。一方ティファニー・モーターズは「負け組」で、今日売れば5000ドルの損失となります。このところどちらの株価も安定しているとしましょう。あなたはどちらを売りますか?

投資家に対して調査をすると、利益を確定できる「勝ち組を売る」という選択の方が、負け組を売るよりはるかに好まれているそうです。しかし、合理的に考えるのであれば、ポートフォリオを総合的に検討し、最も将来性のなさそうな株を売るのが正しい行動です。この時、買値より値上がりしているか、値下がりしているかは考える必要はありません(ただし税金は考慮しないとします)。

このように、人間の直感的な判断と合理的な考慮による判断とは食い違う場合があります。

また、それまでの経済学では、個人がどれだけ富を持っているかによってその人の幸福度が決まると考えられていました。
しかし、著者らは「参照点」という概念を導入し、幸福度は参照点(当初の富の状態)に対する変化によって決まると考えました。
つまり、現在よりも富が増えれば幸福を感じ、富が減れば不幸になるということです。

当たり前に感じるかと思いますが、時にはこの参照点を重視する人間の心理が合理的な投資判断を妨げてしまうこともあります。現在よりも富が減ってしまうことを恐れるあまり、リスクはあるが有利な投資を避けてしまう、といったことです。

また、宝くじがあたったりテロの被害にあったりという実際には滅多に起こらない事柄に対して、その確率を過大評価しがちだということも述べられています。

これらの人間の思考のくせや弱点を予め理解しておくことで、自分の投資判断が偏っていないか確認したり、客観的に検証できることでしょう。

ソーシャルファイナンス革命 世界を変えるお金の集め方

夏休みに読みたい!ソーシャルレンディング投資に役立つ本3選

ソーシャルファイナンス革命 世界を変えるお金の集め方 (生きる技術! 叢書)
慎 泰俊 (著)
出版社: 技術評論社 発売日: 2012年6月30日

概要

著者の慎泰俊氏は、投資ファンドのプロフェッショナルとして活動しつつ、2007年にNPOであるLiving in Peaceを設立し、カンボジアやベトナムなどで貧困層の金融へのアクセスを拡大するために日本でマイクロファイナンスファンドを企画しました。

本書は、マイクロファイナンス、クラウドファンディング、P2Pファイナンス(ソーシャルレンディング)を包括的に説明した入門書です。
しかし、それだけでなく、資本コストやリスクといった概念とファイナンス理論のフレームワークを用いて、それぞれの仕組みがなぜ生まれたのか、その背景を説明しています。

自身でもマイクロファイナンス事業を手掛けているため、関連する記述は正確かつ具体的です。

マイクロファイナンス機関が貸し倒れを抑えるためにグループに対する連帯責任の仕組みを導入したり、外国からも資金を調達していることなどがわかりやすく説明されています。

また、マイクロファイナンス機関が実際にどのように途上国の人々の役に立っているのかについてや、発生している問題(インドのマイクロファイナンス機関であるSKSによる借り手への厳しい取り立てによる自殺など)についても述べられています。

日本のソーシャルレンディングとしてはmaneoが紹介されています(本が出版されたのはmaneoがまだ個人向け貸付を手掛けていた頃なので、そのスキームについての説明です)。

最後には現在生まれつつある、あるいは今後生まれるであろう新しいファイナンスの形について予見しています。
そこでは、インセンティブ設計と、参加自由・リスク負担の原則が重要となることが述べられています。

ソーシャルレンディング投資に役立つ点

この本は投資家向けに書かれたものではないので、直接的に投資の役に立つわけではありません。

ただ、この本が書かれた2012年以降も、ソーシャルレンディングを含むクラウドファンディングの規模は、日本・海外の両方で非常に速いスピードで拡大しています。

この本で説明されているファイナンスについての理論的な背景について知ることで、クラウドファンディング、ソーシャルレンディングが一過性のブームではなく、大きな潮流として今後も世界中でより多くの人々を巻き込んでいくだろうということが理解できると思います。

まとめ

以上3冊の本をご紹介しましたが、興味をひかれたものはあったでしょうか。

最近はネット記事や情報サイトでもたくさんの有用な情報が得られるので、情報収集はそれで十分という方も多いかも知れません。私自身も以前に比べて読書量は減っているように思います。

しかし、本を読むことで一つのテーマについて体系的に理解できるメリットはやはり大きいと言えるでしょう。

そうして得られた知識・知恵は、長期的な投資方針を立てたり、判断に迷った時などに助けになるかもしれません。