急成長中!ソーシャルレンディングの市場規模と歴史

急成長中!ソーシャルレンディングの市場規模と歴史

欧米でインターネットを利用した個人間融資のモデルとして立ち上がったソーシャルレンディング。
日本では個人から小口で集めたお金を大口化し、借り手企業に融資するという、法人融資のかたちで市場規模は近年急速な成長を見せています。

さらに2016年にはメディアへの露出も増え、知る人ぞ知る存在から、徐々に一般的に認知される存在に変貌を遂げつつあります。
今回は日本ソーシャルレンディングの市場規模やその拡大の背景について解説します。

日本のソーシャルレディング市場規模

法人融資としての日本におけるソーシャルレンディング市場規模は2008年から少しずつ増え、2013年頃から成長の勢いを増しています。

その証左として、日本のソーシャルレンディングの市場規模は、下記のように拡大しています(いずれもクラウドポート調べ、以下同様)。

【日本ソーシャルレンディングの市場規模】
2014年 143億円
2015年 310億円
2016年 533億円

日本のソーシャルレンディング市場規模の成長率

ソーシャルレンディングの国内市場規模
ソーシャルレンディングの国内市場規模

ソーシャルレンディング市場規模の成長率としては、2014年から2015年にかけて2.1倍、2015年から2016年では1.7倍。
およそ2倍のペースで市場規模が拡大し続けています。

この勢いは2017年になっても衰えておらず、2017年6月の単月市場規模は過去最高を記録しています。
月次市場規模、最高額を更新 ソーシャルレンディング業界レポート(2017年6月)

ソーシャルレンディング参入企業数の増加

ソーシャルレンディングの参入事業者数
ソーシャルレンディングの参入事業者数

市場規模拡大とともに、ソーシャルレンディング業界への参入事業社(ソーシャルレディング事業者)も増えています。
2014年には6社しか存在していなかった事業者も、2015年には10社、2016年には20社と、多くの事業者が参入しています。

2017年でもすでに数社がさらに参入しており、参入予定の事業者も見られています。
購入型クラウドファンディングにおいて、広く知られているキャンプファイアも既に参入を表明しており、今後も魅力的な事業者のソーシャルレンディング参入の気配があります。

市場規模と事業者数の拡大を背景に、日本のソーシャルレンディング市場も少しずつ多様化。
当初は不動産案件を主に扱う事業者ばかりでしたが、再生エネルギー案件や海外案件他、案件の種類も増加しています。

日本のソーシャルレンディング市場は、1兆円規模のファンドが存在する投資信託市場に比べるとまだまだ小さいですが、投資家のニーズをくみ上げながら、着実に市場の拡大は継続しています。

初期の国内ソーシャルレンディング

それでは以降、ソーシャルレンディングの歴史を振り返ってみましょう。
歴史を振り返り、海外と日本のソーシャルレンディング市場規模を比較することで、今後のさらなる成長余地が計り知れます。

欧米を中心とする海外のソーシャルレンディング市場は、インターネットを利用した個人間金融=Peer to Peer(P2P)金融を中心に市場規模が拡大しました。

日本ではソーシャルレンディング業界のパイオニア的存在のmaneo(現、maneoマーケット株式会社)が、2008年にソーシャルレディングサービスを開始。
サービス開始当初は、欧米のようにインターネット上で個人間のお金の貸し借りが出来るPeer to Peer(P2P)サービスを提供していました。

しかしながら、利用者の伸びが大きくなく、また延滞の発生も相次いだため、2011年に個人間金融から撤退しています。

なお、日本でP2P金融が普及しなかった理由については、消費者金融やカードローン他、個人向け金融のインフラが海外に比べて整備されており、P2Pサービスの広がる余地が少なかったこと。

また、既存のインフラが整っているため、新規サービスのP2Pサービスには多重債務者等、信用力の劣る利用者が相次ぎ延滞が多発したといった理由が語られています。

少しずつ市場規模が伸びてきた国内市場

【急成長中】日本国内ソーシャルレンディングの市場規模

P2Pレンディングでの市場規模拡大はできなかった日本のソーシャルレンディング。
その後、法人向け融資、特に不動産向け融資にその活路を見出すことになります。

日本では、古くからノンバンクが銀行融資の賄いきれない業界等の融資を行ってきた歴史があります。

不動産についてはバブル経済の最盛期にノンバンクが比較的高めの金利で不動産融資を行っていました。

しかし、バブル崩壊とともにノンバンクの多くも銀行系列に入る等で再編が行われて姿を消します。
それ以降、かつてのノンバンクの機能を代替する機関が存在しない状況が続いていました。

こうした背景の下、リーマンショック後の不動産価格上昇期に、かつてのノンバンクの役割を担うような形で日本のソーシャルレンディング業界は発達。

ソーシャルレンディングは不動産業界に、金利は高いながらも柔軟な資金を提供することで、その最初の立ち位置を見出すことになりました。

昨今急上昇中のソーシャルレンディング市場

【急成長中】日本国内ソーシャルレンディングの市場規模

不動産関連にその最初の立ち位置を見つけた日本のソーシャルレンディングですが、その後、徐々に活躍の場を拡大。

海外案件、再生エネルギー案件、企業への融資案件等、市場規模の拡大とともに様々な案件が増えています。

様々な種類の案件の立ち上がりとともに、各案件の利回りも多様化。

当初は年利数%の案件が多かったものの、利回り10%を超える国内案件も目にするようになり、今や投資家のリスク許容度に応じて様々なソーシャルレンディング投資の選択ができるまでになっています。

また、市場の立ち上がり、と言う観点で転機となったのは昨年2016年。

それまでは知る人ぞ知る存在となっていたソーシャルレンディングが、各メディアに取り上げられる機会が増加。
メディアへの露出とともにソーシャルレンディング=融資型クラウドファンディング=投資商品の一種、との認知も徐々に進むことになりました。

投資家の増加に伴い、投資家ブロガーもソーシャルレンディングについて紹介するようになり、認知拡大に貢献しています。

リーマン・ショック後の不動産価格の上昇と日本経済の回復を背景に、ソーシャルレンディング事業者数の増加、、メディア露出機会の増加による一般への認知度アップが、それぞれシンクロし、日本におけるソーシャルレンディング市場は2016年に本格的な立ち上がりを見せ、2017年には市場規模1000億円への道が開けた、と考えられるのではないでしょうか。

欧米と比べるとまだまだ市場規模の伸びが期待できる国内ソーシャルレンディング

アメリカのソーシャルレンディングの市場規模
アメリカのソーシャルレンディングの市場規模

ソーシャルレンディング先進国とも言うべきアメリカでは、2015年にその市場規模が227億ドル(約2.5兆円)に達しています。

一方、伸びたとはいえ日本では2017年にようやく1000億円の市場規模が予想されている程度。
その市場規模の差は日米間で見積もっても20倍以上です。

世界最大の経済規模を持つアメリカですが、日本との経済力の差は20倍の開きがあるわけではありません。
一足先に市場が立ち上がったアメリカ市場ですが、2015年以降も市場は拡大を続けていると言われています。

アメリカのソーシャルレンディングの市場規模から考えれば、まだ日本市場の伸びる余地は充分にあると考えられるのではないでしょうか。

欧米ではP2Pの個人間金融中心、中国は企業融資中心、日本は不動産融資中心、と言ったようにその国に応じた市場拡大を経てきたソーシャルレンディング市場ですが、アメリカとの差からは日本市場拡大の余地はまだ十分あると言えます。

まとめ

maneoがP2Pサービスで頓挫した際、「日本でソーシャルレンディングは普及しない」と言われた時期もありました。
しかしその後に不動産案件を中心に若干方向転換を行うことで、徐々にソーシャルレンディング市場は拡大し、2016年には市場の立ち上がりを見たと言えます。

ただし日本の市場は欧米と比べると、その市場規模はまだ小さく、市場拡大の余地はまだ十分に存在しています。
 
その国に応じた発展過程を経てきた各国のソーシャルレンディング市場ですが、今後日本のソーシャルレンディング市場はどのような形で拡大を続けることになるのでしょうか。
ソーシャルレンディング市場規模の伸び、そしてどのような形で市場は伸びていくのかとの点は投資家含めた関係者にとって、今後も非常に興味深いテーマとなるのではないでしょうか。