2期連続で増収増益 maneoマーケット株式会社の2017年3月期決算を分析

2期連続で増収増益 maneoマーケット株式会社の2017年3月期決算を分析

ソーシャルレンディング業界のパイオニア企業にして業界最大手企業と言えばmaneoマーケット株式会社(以下、maneo)。maneoは未上場会社ながら、ホームページ上で決算書を開示しています。

ソーシャルレンディング投資家重視の姿勢が伺えるmaneoの決算書の開示ですが、先日最新の2017年3月期決算が開示されたので、開示資料に基づきmaneoの財務状況等を分析しました。さすが業界最大手の企業として、増収増益そして強固な財務基盤を有する会社となっています。

決算書を公開しているmaneoマーケット

ソーシャルレンディング業界最大手のmaneoは自社のホームページで各年度の決算書を開示しています。

未上場会社で決算書を開示する会社は極めて異例ですが、ソーシャルレンディング投資にはソーシャルレンディング運営会社のリスクが付き物です。決算書を開示することで運営会社のリスクを投資家が判断できます。

上場会社のような決算書の開示義務がない中で、業界最大手の会社が自ら決算書を開示するmaneoの姿勢はソーシャルレンディング投資家にとって非常に有難いものです。

maneoの業績推移(P/L分析)

maneoの業績は過去3期、下記のように推移しています。

15/3期 売上高605百万円、営業利益122百万円、経常利益123百万円、当期純利益115百万円
16/3期 売上高1,412百万円、営業利益306百万円、経常利益303百万円、当期純利益195百万円
17/3期 売上高2,191百万円、営業利益344百万円、経常利益343百万円、当期純利益198百万円
※15/3期はmaneo(株)の決算書、16/3期以降はmaneoマーケット(株)の決算書の数字

maneoは15/3期時点で既に黒字化しています。15/3期売上高6億円に対し、経常利益1.2億円、その利益率の高さが際立っています。

maneoは順調に事業を拡大しており、15/3期より2期連続で増収増益を果たしています。17/3期は2期前の15/3期と比べると売上高で3.6倍、経常利益で2.7倍にまで拡大しており、急成長している状態です。

17/3期は前期比で売上高+7億円、経常利益は+0.4億円、当期純利益はほぼ横ばい。売上高の伸びに対して利益の伸びが少ないのは、販管費が16/3期406百万円→586百万円と1.8億円増加しているためです。

maneoはベンチャーキャピタル(VC)から資金調達を行っており、業績も順調に推移しているため、IPO(株式上場)に向けた社内体制の整備が必要な状態です。また業績拡大により採用活動も行っている、といった部分が販管費増加の大きな要因と考えられます。

販管費の増加分をそのまま営業利益以降に乗せれば、17/3期も前期比で大幅に増益を果たしており、17/3期の利益額の伸びがイマヒトツという点は理由があってのものと言えます。

maneoの財務状況(B/S分析)

金融機関の決算分析は、貸借対照表(B/S)の分析抜きには語れません。maneoの場合も、投資家の資金を預かる→ファンドを組成→融資を行う→資金を回収する、というお金を中心とするビジネスモデルでありB/S分析は必要不可欠と言えます。

匿名組合出資金推移

maneoを始めとするソーシャルレンディング運営会社は投資家から集めた資金を匿名組合出資金という形として運用(対象企業等に融資)しています。よって各ソーシャルレンディング運営会社が実際に運用している資金量は匿名組合出資金と比例する関係となります。

maneoの匿名組合出資金は下記のように推移しています。

15/3期7,726百万円
16/3期12,096百万円(前年同期比+4,370百万円・+56.5%)
17/3期15,850百万円(同+3,754百万円・+31.0%)

業績が順調に推移しているのと同様、maneoの匿名組合出資金も順調に残高が積み上がっています。
ソーシャルレンディング事業者は匿名組合出資金から手数料を徴収しているため、各運営会社の売上は匿名組合出資金の規模に大きく左右されます。

maneoの場合、15/3期と17/3期を比べると匿名組合出資金が約2.0倍になっています。
一方で売上は15/3期と17/3期の比較で3.6倍に拡大。15/3期は企業再編前の段階であり参考数字の面があるため、売上の増加率が非常に高くなっていますが、匿名組合出資金の残高の増加を背景に、売上規模が着実に増加している姿を伺うことができます。

なお、maneoのホームページでは常時成立ローン総額の数字が掲載されています。7月5日現在は756億円との数字が掲載。本数字はこれまで成立したローンの累計の数字となるため、これまでに償還された数字も含まれています。

営業貸付金推移

投資家からの調達金額である匿名出資金がB/S上は貸し方に存在しているのに対し、融資先に対する貸付残高はB/S上は借り方に営業貸付金として計上がなされています。maneoの営業貸付金は下記のように推移しています。

15/3期 6,895百万円
16/3期 12,087百万円(前年同期比+5,192百万円、+75.3%)
17/3期 14,443百万円(同+2,356百万円、+19.4%)

ソーシャルレンディング運営会社も優良な貸付先が無ければいくら資金力があっても事業拡大は不可能ですが、maneoは順調に貸付金額も増加中。
ただし16/3期は前期比で+51億円・+75.3%の貸付残高が伸びたのに対し、17/3期は+23億円・+19.4%の伸びにとどまっています。

現預金推移

現預金の多さにも特徴があります。過去3期では現預金残高が下記のように推移しています。

15/3期 1,572百万円
16/3期 2,931百万円
17/3期 4,817百万円

17/3期末時点でmaneoは48億円もの現預金残高を保有。ベンチャー企業が保有する現預金としては非常に多いと言えます。

ただし48億円の大半はソーシャルレンディング投資家からの預かった資金が現預金として計上されている状態であり、maneoが自由にできるお金ではない点は注意が必要です。

なお、17/3期末で匿名組合出資金158億円+投資家預り金13億円の合計171億円を貸し方に計上しています。一方で借り方は現預金48億円+営業貸付金144億円の192億円という状態になっています。

maneoの決算推移を見た感想

maneoの決算推移をを見ると、着実な成長としっかりした財務基盤が窺えます。

売上・利益そして匿名組合出資金、営業貸付金のいずれの数字も順調に伸びており、ソーシャルレンディング業界の市場拡大がmaneoの決算書からも感じられます。

ただし16/3期→17/3期とソーシャルレンディング市場全体が急拡大した一方で、maneoの業績は小幅な伸びに留まっています。
たしかに販管費が拡大し利益の伸びが少なくなったものの、営業貸付金の伸び率は前期の約半分近くになっています。

17/3期の営業貸付金の伸び率の減少が、一時的な要因によるものか、競争激化によるものなのか、市場飽和によるものなのかは分かりませんが、18/3期の営業貸付金の増加がどのようになるのか、という点がmaneoの今後の成長の試金石になるといえるのではないでしょうか。

ただし、ベンチャー企業で経常利益3億円超は立派な数字です。18/3期も順調に事業が進捗すれば、IPO(株式上場)も現実化が考えられます。

maneoのIPO(株式上場)の可能性について

ソーシャルレンディング市場の最大手企業のmaneoはベンチャーキャピタル(VC)が株主として加わっています。maneoのホームページ上では下記、合計8名義のVCが確認されます。

・株式会社VOYAGE VENTURES
・MICイノベーション4号投資事業有限責任組合
・SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合
・Spiral Ventures Japan Fund1号投資事業有限責任組合
・アイビス新成長資事業組合第4号
・池田泉州キャピタルニュービジネスファンド4号、5号投資事業有限責任組合
・SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合

VCは投資先企業のIPOを期待して投資を行います。そしてIPO後のいずれかのタイミングで株を売却することで利益を得ます。

銀行系VCの場合は融資が関連した取引の一環というケースもありますが、maneoの場合は銀行系VC(SMBCベンチャーキャピタル=三井住友銀行、池田泉州キャピタル=池田泉州銀行:大阪)のみならず、独立系VCのファンドも出資を行っているため、事業の成長と共にいずれのタイミングでのIPOを計画している、と考えるのが自然です。

maneoは15/3期より増収増益を達成しています。
2017年3月期決算を利用して上場申請するかどうかは外部からは分かりませんが、15/3期以降の増収増益という数字をもって上場申請という可能性は充分ありえます。

また、仮に2018年3月期にこれまでを上回る成長計画があるようなら、2018年3月期決算での上場申請の可能性もあります。
いずれにしても増収増益基調の決算であり、また成長を続けるソーシャルレンディング業界の最大手企業と言うこともあり、IPOの可能性は充分あると考えられます。
 

まとめ

本来は未上場会社には決算書の開示義務はありません。
そんな中、maneoは2012年3月期以降の決算書をホームページ上で開示しています。その情報開示の姿勢は、ソーシャルレンディング投資家にとっては非常に有難いものとなります。

成長中のソーシャルレンディング市場における最大手企業として、その決算書を分析することは様々な示唆を得ることができ、maneoのソーシャルレンディング案件に投資検討を行う際の、検討材料ともなりえます。
manenoの決算及び財務内容は良好であり、今後のIPOも期待できる状況となっています。

maneoが業界最大手の企業として、更なる成長に期待するとともに、いずれのタイミングでのソーシャルレンディング業界初のIPOにも期待したいと思います。

※こちらの記事の情報を用いて行うすべての行動やそのほかに関するご判断は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

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