ソーシャルレンディングにNISAは使える?現状と今後の適用について

ソーシャルレンディングにNISAは使える?現状と今後の適用について

こんにちは、A氏です。

「NISA」という投資に関する制度をご存知でしょうか。

NISAとは、日本で2014年に導入された「小額投資非課税制度」です。一定金額の範囲内の株式や投資信託から得た売却益や配当金について、非課税として認めてくれるという制度です。

そんな素敵なNISAなので、ソーシャルレンディングでも使えたら良いと思われるでしょう。しかし、現時点でNISAによる非課税対象は上場株式(RETIとETF含む)と投資信託に限定されており、ソーシャルレンディングは対象外です。

ソーシャルレンディングにも適用されれば投資家は非課税のメリットを享受できますが、NISAが適用される日は訪れるのでしょうか?
各方面から収集した情報をもとに予想してみます。

NISAとは

まずはNISAの仕組みや魅力を解説します。

NISAは、2014年1月からスタートした少額投資非課税制度です。通常の株式口座とは違い、NISA口座における株や投資信託などの取引に関わる運用益は非課税になります。

NISAの仕組み

NISA口座の取引から生じる売却益や配当金等の利益は所得税、住民税が非課税となります。ただし、NISA口座での投資(買い付け)は、年間120万円が上限となります。

例えば、2016年に時価30万円の株を2株と時価30万円の投信を2口購入し、120万円の非課税投資枠を使ったとすると、そこから有効期限内に生じる利益には税金がかかりません。
翌2017年になると、再度、同じように120万円の非課税投資枠を使うことができ、そこから生じる利益にも一定期間税金がかかりません。

ソーシャルレンディングにNISAは使える?、その5年後にあたる2028年までが非課税枠の有効期限です。

ソーシャルレンディングにNISAは使えるか?

ソーシャルレンディングにNISAが適用された場合のメリット

もしソーシャルレンディングにNISAが適用されることになったら、投資家はどのようなメリットを得られるのでしょうか?

メリット

ソーシャルレンディングにおける投資家の収益は分配金であり、通常は分配金の約20%が源泉税として国に納付されます。利回り5%の案件があったとしても、納税後の実質利回りは低くなってしまいます。

ソーシャルレンディングにNISAが適用されれば、NISA口座での投資に対する利息には所得税等が課税されなくなり、源泉税もなくなるため、利回り5%の案件は実質利回りも5%です。
※各種手数料は含めておりません

デメリット

株式や投資信託であれば、売却損が出た時に損益通算ができない点がNISAのデメリットとしてあげられます。
しかし、ソーシャルレンディングの出資金は通常売却できないため、売却損が発生することは稀です。
ソーシャルレンディングにNISAが適用されれば、投資家は現状の対象商品以上にメリットを享受できると考えられます。

大胆予想!ソーシャルレンディングはNISAの対象になるのか?

ソーシャルレンディングがNISAの対象になる日がくるのでしょうか。

私は将来的にソーシャルレンディングがNISAの対象となる日がくると思っています。
このように考えるのには、3つの根拠があります。

根拠1 英国ISAの動向

NISAのお手本となった英国ISAでは、2016年の制度変更によりP2Pレンディング(日本のソーシャルレンディングに該当)も対象になりました。
本家が制度変更したなら、NISAも追随することが期待される可能性はあるのではないでしょうか。

根拠2 NISAの2020年目標

日本は2020年のNISAの目標残高として25兆円を掲げています。2014年に制度を開始してから3年が経過した現在において、NISA口座の投資総額は2016年末で約9兆4千億円止まりです。
2020年目標の折返し地点にも関わらず進捗率は40%未満であるため、目標達成を危ぶむ声もあります。

2018年から積立NISAという新制度がスタートする予定ですが、現行のNISAと併用ができないことになっているため、利用額の拡大は大きくはないでしょう。
NISAの対象商品を拡大するなど、新たな利用者獲得に向けた施策が必要ではないでしょうか。

根拠3 ソーシャルレンディング市場の拡大

ソーシャルレンディング市場は急拡大を続けています。
クラウドポートの独自調査によると、2016年度のソーシャルレンディング市場規模は前年比190%の約648億円となりました。市場規模が1年で約2倍になったということです。

また、クラウドクレジットのように海外に融資するソーシャルレンディング事業者も登場してきたことは大きな意味があります。人口減と経済規模の縮小が不安視される日本において、ソーシャルレンディングが金融サービスの国際化を担うことができれば、存在感はますます高まるでしょう。

国がソーシャルレンディングの成長や国際化の可能性を認識すれば、NISAの対象とすることを検討してもらえるのではないでしょうか。

ソーシャルレンディングのNISA対象化を阻む課題

先にも述べた通り、私の見解では将来的にソーシャルレンディングはNISAの対象となると予想しています。
一方で、それを阻む課題が少なくとも3つあると考えています。

課題1 英国と違う金融事情

ソーシャルレンディングをISAの対象とした英国と日本の金融市場の状況は大きく異なります。

リーマンショック以降、英国の金融市場は危機的な局面を迎え、金融機関による貸し渋りが社会問題となっていました。
そこでソーシャルレンディングをISAの対象とすることで、個人投資家から中小企業にお金が回るように、中央銀行と財務省が全面バックアップするという姿勢を見せたのです。

日本の現在の金融事情は英国ほど深刻な状況ではないため、国が思い切った施策を打ってくれるか、疑問が残るところでしょう。

課題2 現行NISAのタイムリミット

2018年度から積立NISAという新制度がスタートしますが、積立NISAは金融商品への制約が非常に多いため、ソーシャルレンディングが参入するならば現行NISAの方だと思います。

しかし、現行NISAは2023年に終了を予定しています。現行NISAの期限が延長されないなら、残された期間が短い制度に対して、ソーシャルレンディングのような異質の商品を組み入れる可能性は低いように思います。

現行NISAの期間延長とセットでなければ、ソーシャルレンディングがNISA対象となる可能性は低いかもしれません。

課題3 税金減収への懸念

NISA制度の拡大は税収減を招き、赤字予算を拡大させる懸念があります。
積立NISAの制度を策定する際にも、非課税期限の恒久化という税収減が懸念される案が持ち上がり、開始から20年後の2037年が期限となりました。

ソーシャルレンディングをNISAの対象とするならば、数千億円~1兆円という市場規模の税収がなくなる可能性があるため、NISAの対象とすることには反発があるかもしれません。

まとめ

最後に今回の投稿のまとめです。

  • NISAは小額投資非課税制度の略称で、現在は株式や投資信託などの金融商品が対象であり、ソーシャルレンディングは対象外である
  • NISAのお手本である英国ISAではソーシャルレンディングも非課税対象となっており、昨今の日本のソーシャルレンディング躍進を加味すると、NISAも同様の動きを期待できる
  • ソーシャルレンディングをNISAの対象とするには、NISAの終了期限が迫っていることや税収減への財務省の反発など、課題が多く残る
  • とはいえ、ソーシャルレンディングがNISAの対象となれば非課税制度の恩恵は大きく、NISA利用者の拡大にも寄与するため、ぜひ対象にしてほしい

最後は個人的な欲求も見え隠れする内容で恐縮ですが、ソーシャルレンディング業界発展のためにもNISAの対象となればと思います。
それでは。

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