安全と思われているソーシャルレンディング投資において、投資家が気を付けるべき点は多くあります。

投資においては個人の個性に合わせた投資方法の選択が必要不可欠なのですが、初心者の場合、そもそもどのような投資方法が最適なのか理解するまでに時間を要してしまいます。

今回は「初心者でもできる限りリスクを抑えながらソーシャルレンディング投資を行うためにはどうしたら良いのか」について、ソーシャルレンディング投資について筆者の経験を踏まえて説明いたします。

投資は分散投資が必要不可欠

その投資、本当に安全?ソーシャルレンディング案件の選び方と注意点

どんな投資の世界でも分散投資が必要不可欠です。

その重要性は投資運用会社でも分散投資を徹底しており、「分散投資」という観点だけで1つの学問が成り立つ分野であるほどです。
もちろんデイトレーダー等、日々売買を繰り返すようなプロの個人投資家の場合は話が例外かもしれませんが、通常、投資には分散投資が必要不可欠なのです。

それではなぜ分散投資が必要不可欠なのでしょうか。投資初心者の方が投資できる全額のすべてを、「単に儲かるから」という理由で単一のファンドに投資するのはリスクが非常に高い行動です。

なぜならば、100万円の投資金を1つのファンドに投資したとして、そのファンドがデフォルトを起こした場合、投資資金である100万円全てが既存される可能性があるからです。

仮に100万円を投資するとしても、10万円ずつ10件のファンドに投資を行えば、仮にファンド1件がデフォルトを起こしたとしても、最大の損失額を10万円に抑えることできます。

これはあくまで一例ですが、ソーシャルレンディングでは他の金融商品同様、分散投資を意識しなければいけません。
投資は分散が鉄則、まずはこれをお忘れなく。

日本のソーシャルレンディング案件は不動産絡みの案件が多い

その投資、本当に安全?ソーシャルレンディング案件の選び方と注意点

日本のソーシャルレンディング業界は、不動産関連の案件を中心に取扱い、現在までの成長を遂げています※1
世界各国のソーシャルレンディング市場は案件の中心がそれぞれ異なります。

欧米では個人間金融(P2Pレンディング)、中国では企業融資が中心となっている一方、日本では不動産案件を中心として成長してきているように、ソーシャルレンディング市場はそれぞれの国の事情に応じた成長となっているのです。

前述の通り、日本でのソーシャルレンディング投資においては、不動産案件が中心となっているため、投資金額の分散しか考慮せず、ファンドの案件分散を考慮しないと、結果として不動産ばかりに投資を行ってしまう可能性があります。

たとえ異なる運営会社の案件だったとしても、不動産案件ばかりに投資を行っていれば完璧な分散投資ができているとは言い難いでしょう。

確かに別のソーシャルレンディング事業者の案件であれば異なる物件を扱っているため、リスク回避にると思うかもしれません。
しかし、それでも根本的には不動産案件であることには変わらないのです。

不動産市場に何か問題が起きた場合、ソーシャルレンディング事業者が異なっていても、不動産系のファンド全てに影響を及ぼしてしまうかもしれません。
それを踏まえれば、いくら運営会社の分散を行っていると言っても、最終的に不動産案件ばかりに投資をしていれば、分散投資の効果は半減してしまう点については充分な注意が必要でしょう。

リーマンショックではREITすら倒産している

「東京五輪まで日本の不動産市場は右肩上がり」という意見の反面、「そろそろ不動産価格の値上がりも限界に近い」という意見も見られます。
このように様々な意見がある中、国内の不動産市場の先行きを素人が判断するのは非常に難しいのではないでしょうか。

ただし、不動産市場は崩れる時は一気に崩れます。
バブル崩壊による不動産価格の下落は既に30年近く前なので記憶は薄れつつありますが、2008年に発生したリーマン・ショックはまだ記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

リーマン・ショックの前は不動産市場がプチバブル状態となっていました。
REITを始めとする不動産ファンドも非常に多く存在しており、ビルやマンションといった物件がファンドに対して飛ぶように売れていた時代でもあります。

それがリーマン・ショックで状況が一変します。

大半の物件の価格が下落し、多くのREITや不動産ファンドの経営は苦境に立たされました。当時は不動産ファンドを運営する上場会社も多く上場しておりましたが、少なくない会社が破綻に追い込まれ、REIT自体が破綻するケースまで発生しました。

REITが破綻するケースは、REIT市場創設の頃は誰も想像すらしておらず、いかに不動産市場の下落が急だったかを投資家は思い知らされる事態に陥ります。

ソーシャルレンディング投資を行う際は、日本は不動産案件が多いという事情は理解しつつも、投資先の内容が不動産に固まらないよう注意を払うべきではないでしょうか。

日本のソーシャルレンディング業界は圧倒的な市況悪化を経験していない

その投資、本当に安全?ソーシャルレンディング案件の選び方と注意点

日本のソーシャルレンディング市場はここ数年で立ち上がった市場です。リーマン・ショックが2008年であり、日本のソーシャルレンディング市場が立ち上がったのはその後となります。

不動産市況がリーマン・ショックで一気に悪化しましたが、その後は徐々に市況が回復し現在に至っています。
だからこそ、不動産案件の多い日本のソーシャルレンディング市場はこれまで環境の良い中で成長してきたと言うことができます。

これは逆に言えば、ソーシャルレンディング業界自体が不動産市況の悪い時代を経験していないと言うことになります。

これまで高いパフォーマンスで投資家の期待に応えてきた日本のソーシャルレンディング業界ですが、いずれのタイミングで訪れ可能性がある不動産市況の悪化の際にその真価が問われるのではないでしょうか。

多くの運営会社と案件を見てみよう

現在、日本には20社程度のソーシャルレンディング運営会社が存在しています。

そしてそれらの会社が様々な案件を組成して投資家を募集しています。
不動産案件特化の運営会社もありますが、様々なタイプの案件を募集している会社も多く存在しています。

よってソーシャルレンディング投資を行う際は、まずは運営会社及び募集している(していた)案件を知ることが必要不可欠です。

どんな運営会社が存在していて、その運営会社のバックグラウンドや実績を知るのは当然、現在どんな案件を募集しているか、過去どんな案件を募集していたか等を理解していればソーシャルレンディング投資の初心者卒業です。

紙に書き出したり、ワードやエクセスでまとめることまで出来ればパーフェクトですが、いずれにしてもどんな会社があってどんな案件があるのかを、知っておくことが大切となります。

投資で収益を上げようとすれば、どんな投資であれ「ひと手間」加えることが必要不可欠となります。

ソーシャルレンディング投資においては、「運営会社を知ること」、「案件の内容を知ること」が「ひと手間」に該当するのではないでしょうか。
これが出来ていれば、「気が付いたら不動産案件ばかりに投資していて全く分散投資が出来ていなかった・・・」という事態は避けることができます。

【投資初心者の陥る罠】成功後の集中投資

投資の世界で気を付けたいのは、脱初心者後の投資行動。
最初は様子をみながらり始めた投資でも、それが上手く行き始めると急に大胆な投資を行ってしまわないように注意が必要です。

「最初は少額の投資資金だったはずが、追加投資でどんどん大きくなり、ある日突然リスクが顕在化し、気が付くと大損している」というのが投資で失敗する王道パターンでもあります。

繰り返しますが、だからこそ分散投資が必要なのです。

また、儲かるからと言って、生活リスクを背負ってまで投資をしてはいけません。

投資は余剰資金で行うのが鉄則です。投資とは損をしなければ増えていくものです。
投資上級者ならともかく、金利=損失に加え、損した時に必要以上の損を計上することになる借金での投資は避けるべきです。

これらは他者から見れば笑い話に思えますが、投資初心者が投資を行う際に陥りやすい罠です。
「自分はそうはならない」と軽視せず、忘れずに気に留めておいてください。

まとめ

ソーシャルレンディング投資では、「分散投資をすること」、「運営会社と案件の内容を知ること」が重要です。

この2つを踏まえた上でソーシャルレンディング投資に向かい合えば、仮に思わぬ事態が発生した場合でも大怪我することは無くなるのではないでしょうか。

ソーシャルレンディング投資を行う際は、まずソーシャルレンディング運営会社とそれぞれの案件を理解することからスタートし、実際に投資を行う際は分散に充分注意するしましょう。

ソーシャルレンディング投資上級者の方から見れば、保守的な面もあるかもしれません。しかし、最初の頃は損しないことが何よりも大切。

ソーシャルレンディングのスタートは、まずは手堅く始めるのがよいと考えます。

執筆者紹介

SocialNote

ブログ「ソーシャルレンディングの投資ノート」の管理人。個人事業主の傍ら、株・REIT・FX・先物等、これまで様々な投資を手がけてきた個人投資家。ソーシャルレンディング投資の面白さと将来性に着目し、ブログを開設しソーシャルレンディングについて分析やコラム等を執筆している。一般的なファンド運営業務も実務を通じ知っていることから、ファンド運営側と投資する側の、両方の視点でソーシャルレンディング業界を見守っている。