こんにちは。中田健介です。

ソーシャルレンディング投資を行う上で、一番懸念されるリスクは何といっても「デフォルト(貸し倒れ)」でしょう。このデフォルトが起きると実際どうなるのでしょうか。私が実際に体験した事例をご紹介します。

貸し出したお金が返ってこない?

私は2010年からソーシャルレンディング投資を手掛けています。その中で、これまでにデフォルトで損失を被ったことはあるかというと・・・・実はあります。

それは、AQUSHというソーシャルレンディングサービスでのことでした。

デフォルトが発生したのは、「AQUSHマーケット」という個人向け・企業向けの貸出ローンファンド(無担保)でした。具体的には、2011年に投資したファンドで、年利13%・貸出期間3年・元利均等返済のものでした。このファンドに私は38,017円投資していました。

当初順調に返済が行われていましたが、2014年に突如元本の一部が「貸倒金」として計上されました。その後、元本・金利とも全く返済されなくなり、翌2015年には残りの元本も貸倒金となりました。最終的に2,830円がデフォルトとなり、返ってきませんでした。

ただし、このファンドで得られた金利は3,685円だったので、トータルでは辛うじて損はしていないことになります。

図:AQUSHマーケットファンドでのデフォルト発生

全体での損益としてはプラスに

また、AQUSHマーケットではほかにもしばしばデフォルトが発生し、損失を被りました。損失額は年次では以下の通りです。

見ての通り、毎年デフォルトによる損失が発生していますが、いずれの年においても利益額の方がはるかに大きかったので、トータルでの収支ではプラスとなっています。デフォルトによる損失は収支にはほとんど影響を与えないレベルでした。

なお、2014年にAQUSHに確認したところでは、AQUSHマーケットにおけるデフォルト率は0.68%(金額ベース)とのことでした。私が被ったデフォルトの損失額もそのレベルであり、私が特別に運が良かったとか悪かったということはないようです。

デフォルトの経験から言えること

これらの経験からいくつか学んだことがあります。

・デフォルトが発生しても、必ずしもファンドに投資した金額のすべてを失うわけではない。

AQUSHマーケットは、1つのファンドが複数の借り手から構成されている商品でしたので、一部の借り手が返済不能となっても、他の借り手がきちんと返済することで、損失額はファンド投資額の一部にとどまっていました。私が体験した上記のケースでも、損失額はファンド投資額の7.4%でした。つまり、必ずしも「デフォルト=全額損失」ではないということです。

・デフォルトが発生しても、その損失額が利益額を上回ることがなければ、トータルでの収支はプラスとなり、あまり問題はない。

上記のケースでは、返済不能となった借り手以外の借り手はきちんと金利も含めて返済してくれたので、ファンド全体としての収支はプラスとなりました。特に今回のように金利の高いファンドであれば、一部の借り手がデフォルトに陥ってもトータルではプラスになることもあります。

・でもやはり分散投資は大事

とはいえ、やはり上記のケースはあくまで不幸中の幸いであったと考えています。デフォルトは常に発生しうるものだと改めて認識し、ファンド及び事業者の分散投資をそれまで以上にきちんと行うようになりました。

なお、私はAQUSH以外の事業者ではこれまで幸いデフォルトを経験したことはありません。

執筆者紹介

中田 健介

サラリーマン投資家・投資ブロガー IT系企業に勤務する傍ら、2010年からソーシャルレンディングでの資産運用を開始し、現在まで継続して年平均7%以上の利益を上げる。 「低金利時代の投資家にとって、ソーシャルレンディングは最も優れたインカムゲイン投資である」と強く感じ、その魅力を広く伝えるべく日本初の融資型クラウドファンディング専門ブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」を開設し、自分の運用実績、各社のサービス内容比較、業界の最新トピックなどを毎週2回(水・土)発信している。その内容は業界関係者からも注目を集め、これまで日本経済新聞・日経ヴェリタスをはじめとする多数のメディアで紹介されている。 2015年には著書「年利7%! 今こそ『金利』で資産を殖やしなさい!~日本初! 融資型クラウドファンディング投資の解説書」(ぱる出版)を出版。