不動産特化型のソーシャルレンディング事業者として業界でも屈指の勢いと人気を誇る「ラッキーバンク」。注目の急成長企業を率いる若き経営者ラッキーバンク田中社長に、これまでの半生とラッキーバンクの特徴、そして今後の方針について語っていただきました。

活発な少年時代

 出身は東京。金融業と不動産業を営む家庭に生まれました。男2人兄弟の次男で、幼少時代はどちらかと言うと好奇心旺盛で活発な少年でした。

 両親だけでなく親戚も不動産業を経営するなど、普通の家庭よりも商売を身近に感じられる環境でした。当時はそんな意識は全くありませんでしたが。

ただ、10代の頃はあまり金融や不動産には興味を持てませんでした。どちらかというとネガティブな印象を持っていました。

就職をきっかけに不動産に興味を持ち始める

 学生時代は、人並みに遊びや部活を謳歌し楽しく充実した日々を過ごしました。

 就職の時期になり、さてどこに就職しようかなと考えた時に、ふと頭の中をよぎったのは、なぜか不動産業界。すでにお話しした通り、当時は不動産に対してあまり良い印象を持っていなかったのですが、何も知らないのに否定的になるのも良くないなと思い不動産業界について調べ始めました。

 不動産について色々と調べているうちに面白いことに気がつきました。一般的な実物資産、例えば、車、住宅、生活用品などは時間が経つにつれて価値が目減りしていくのに対して、土地にはそれが無い。もちろん市場の動向によって価格の変動や建物の経年劣化はあるものの、逆にその仕組みを理解することができれば、これからビジネスの世界で生き抜いていく上で強い武器になるのではないかと考えるようになりました。そこから、不動産に強い興味を抱くようになりました。

 そんな中、ご縁があったのが、富裕層の資産管理コンサルティング事業を行う株式会社船井財産コンサルタンツ(現 青山財産ネットワークス)と言う会社でした。

船井財産コンサルタンツで学んだビジネスの基礎

 入社当初は先輩コンサルタントのアシスタントとして、お客さまの資産評価額の計算やデータ収集の業務を担当しました。上司に依頼されて、永田町にある国立国会図書館に行き10年分の路線価を調査したり、電卓を使って顧客資産の現在価値を計算するなど、地道な作業をひたすらこなす毎日。がむしゃらに仕事に取り組む中で、知らず知らずのうちに金融や不動産に対する地力を育むことができました。時には、勤務中の態度について先輩社員からこっぴどく怒られるようなこともありましたが、たくさんの学びが得られる刺激的な日々でした。

「原理原則」という教え

 船井財産コンサルタンツが大事にしている理念の一つに「原理原則に従う」というものがあります。
 
 資産運用の管理・コンサルティングビジネスとは、他人の褌(ふんどし)を借りて相撲を取らせていただいているようなもの。だからこそ、人としての原理原則を大事にし、お客さまのことを第一に考え、誠実に正しくビジネスをやることが大切であるという教えです。ことあるごとに上司や先輩たちから、繰り返し繰り返しこの言葉を聞かされました。
 
 この教えは、今も私の思想の根底に深く根付いています。ラッキーバンクのビジネスモデルも、基本的にはお客さまの資産を活用してビジネスをさせていただいています。だからこそ、この「原理原則に従う」ということを常に念頭に置き、日々お客さまに感謝しながら誠実に会社運営を行うことを意識しています。

 船井財産コンサルタンツでは、金融や不動産の知識はもちろん、事業家としてのマインド、人間としてのあり方についてまで、本当に多くの事を学ばせてもらいました。

不動産証券化の仕組みを通して、将来の事業の着想を得る

 多くのお客様の資産コンサルティングをしていく中で、不動産証券化という仕組みに出会います。

 不動産証券化とは、簡単に言うと、金融のスキームを駆使することによって、不動産収益を受け取る権利を小口化し、個人が小額でも不動産投資に参加できるようにする仕組みのことです。私はこの不動産証券化という仕組みに強く心を惹かれました。

 不動産は良い物件を見つけることができれば、安定的な収益が期待できる魅力的な投資対象ではありますが、その一方で、多額の購入費用が発生するため、ある程度の資産を持っている人でないと参加できないというボトルネックがあります。

 しかし、この不動産証券化の仕組みを利用すれば、参加のハードルが下がり、より多くの人が不動産投資に取り組むことが可能になります。それこそ自分と同じような若年層も不動産投資に参加できるようになるかもしれません。将来の年金受給に不安を感じる若者世代にとって、それは価値ある資産運用の選択肢のひとつとなります。不動産投資の敷居を下げ、多くの人に不動産投資の機会を提供する。これは人生を賭けて取り組むべき価値ある事業だと感じました。不動産証券化という仕組みを通して、漠然と自分が将来手掛けたいビジネスの輪郭が見えた気がしました。

ソーシャルレンディングとの出会い

ソーシャルレンディングとの出会いは2012年頃でした。
ある日、いつものようにネットを見ていて、ふと目にとまった「ソーシャルレンディング」という文字。これはなんだろう?何の気なしにサイトを閲覧し、強い衝撃を受けます。
 
 それは、これまで私が関わってきた対面が原則であった資産コンサルティングや金融ビジネスとは、まるで違う世界でした。非対面で販売される金融商品にもかかわらず、年利5〜6%の無担保ファンドがWEB上で飛ぶように売れていきます。私の見ている目の前で、募集額、数千万のファンドが一瞬で満額成立となってしまいました。

 こんなビジネスモデルがあったのか。なぜ、非対面でこれだけのお金が集まるのだろう?どんなスキームを使ってやっているんだろう?どんな人たちが投資をしているんだろう? それからというもの、毎日のようにmaneo、SBIソーシャルレンディング、AQUSH、クラウドバンク、クラウドクレジットといった、当時先行していたソーシャルレンディング事業者のサイトを、食い入るように見続けました。

不動産特化型ソーシャルレンディングの可能性を感じる

各社のサイトを研究していくと、応募状況に関して、いくつかの傾向があることに気づきます。想定利回りが高く、短期運用ファンドの売れ行きが良いのはもちろんですが、それ以外の要素として、利回りは低いが、特に不動産担保付きファンドの応募状況が良い。その一方で、不動産担保付きのファンドは、常に募集されているわけでなく、需要に対して供給が足りていないように見えました。

 これはチャンスだ。直感的にそう感じました。2012年当時はまだ、不動産に特化したソーシャルレンディング事業者はありませんでした。不動産市場における融資ニーズ、ソーシャルレンディング市場における商品特性と自分がこれまで培った不動産のノウハウを活用し、不動産に特化したソーシャルレンディングを始めれば、後発であっても十分に巻き返しができるのではないか。日々、加速度的に成長するソーシャルレンディング事業者の状況を見ながら、今、ここで勝負しないと一生後悔するという思いが日増しに強くなり、ついにソーシャルレンディング事業で起業することを決意します。

起業の準備を始める

起業を周りに告げた時の反応は意外と肯定的なものでした。身近に不動産や金融に詳しい人が多かったこともあり、私のやりたいことを理解してもらいやすかったのかもしれません。家族や友人達も快く応援をしてくれました。

周囲の温かい支援もいただきながら、起業準備は順調に進んでいきます。創業メンバーは、かつての友人関係や同業界のコネクションを使い、専門性を備えた優秀なメンバーが集まりました。

そして、2014年12月、不動産特化型ソーシャルレンディング「ラッキーバンク」の営業を開始しました。

順調に拡大成長するラッキーバンク

 サービス開始以降、ラッキーバンクは多くのお客さまにご愛顧いただき、ここまで本当に順調に成長することができています。わずか2年ほどで、累計応募総額は70億円(2016年12月現在)を超え、新規のファンドをリリースすれば、募集額数千万円のファンドがわずか1~2分で満額成立することもあります。

ラッキーバンクの特徴

 ラッキーバンクの特徴は何と言っても不動産に特化している点です。全ファンドに不動産担保をつけることで保全性を高めています。宅建業を取得していますので、万一の場合には、サービサーに頼らず、自分たちの手で速やかに不動産売却を行うことができます。

 ファンドの情報開示については、ソーシャルレンディングは貸金業法の要請により、融資先を特定できる情報の開示は禁止されていますが、可能な範囲で投資判断に資する情報を開示しています。スキームや物件の周辺情報に加えて、不動産鑑定士又は、不動産鑑定システムによる価格調査報告書も公開しました。

 今後も、できる限り多くの情報を提供することで、投資家の皆さまに楽しみながら投資していただきたいと考えています。

ラッキーバンクの審査について

 ソーシャルレンディングの運営では、いかに質の良い案件を安定的にソーシングできるかが重要になってきます。融資案件は私自身が営業して開拓することもありますが、現状は、既存の取引先からの紹介などが中心です。

 融資を実行する際には、必ず融資審査を行いますが、その審査はかなり慎重に行っています。まず借り手には、財務諸表を提出してもらい財務状況に問題がないかを確認します。また、購入予定の物件に関する収支計画を提出してもらい、その妥当性をチェック。さらに、実地の物件調査、また外部の不動産鑑定士による価格調査レポートを踏まえて総合的な判断をします。

 同時進行で、つながりのある不動産仲介業者に、対象となる物件についてのヒアリングをすることもあります。物件名は伏せた状態で、このエリアでこれくらいの価格帯、これくらいの利回りを想定しているが、売れそうかどうかを確認します。万一、貸し倒れが発生した場合は担保で取得した物件を早期に市場で売却しなければなりません。そこで、事前に流動性がある物件かどうかを仲介業者に確認しておくわけです。そうすることで、万一の場合に備えておくのです。

借り手企業の資金使徒は期間によって異なる

 借入を希望する企業の資金使徒は融資期間によって多少異なります。

3ヶ月以内の借入期間を希望される場合は、一般的なブリッジファイナンスもありますが、土地や物件を仕入れてすぐに売却する、いわゆる「即転」と呼ばれる取引を目的とするもの、6か月程度の借入を希望される場合は中古物件を仕入れてリノベーションなどによって価値向上を図り売却する目的、12か月以上の場合は、アパートやビルをシェアハウスやシェアオフィス、直近では宿泊施設などにコンバートするなど物件の用途変更を目的とする案件が多くなります。

不動産価格が下がった場合の対応策

 ラッキーバンクについて、お客さまからよく聞かれる質問のひとつに不動産価格が下がったらどうするの?というものがありますので、それについて説明したいと思います。

 当社で融資審査を行う場合、取引の対象となる不動産の評価だけでなく、借り手が所有する他の不動産、金融機関からの借入、事業からのキャッシュフローなど、総合的に判断した上で融資を実行しています。

万一、対象の不動産価格が下落した場合であっても、別の不動産の売却資金や他の事業から生み出されるキャッシュフローから返済してもらえればそれで問題ありません。
 
 他の返済原資がない場合には、当然、投資家さまの元本が毀損するリスクはあります。ただし、そのような場合であっても、融資額の一部でも返済することができれば、金利負担を軽減することができます。それによって、金利負担よりも不動産収益が上回る状態を維持することができれば、借り手は物件所有の目的を売却から保有に切り替えることができます。それによりキャッシュフローからの返済も可能となります。

不動産事業参入 LBIリアルティを設立の理由

当社は2016年8月に新規事業として不動産事業を開始しました。ソーシャルレンディング事業以外に、不動産事業に参入したのには3つの理由があります。

不動産市場における情報の非対称性を解消するため

 まず1つ目ですが、不動産市場における情報の非対称性を解消する目的があります。より融資の精度を上げていくためには、借り手が担保として差し出す不動産の現在価値を正確に判断しなければなりません。そのためには不動産市場の情報を常に把握しておく必要があります。

しかし、貸金業者という立場では、どうしても入手できる情報が限定的なものになってしまいます。不動産市場の情報を一番入手できるのは、やはり日々、不動産の売買を行っている不動産事業者です。

そこで、今回、グループ会社として不動産事業を行うLBIリアルティを設立し、自分達自身でも、物件の購入、保有、売却を日常的に行うことにしました。それによって、これまでよりも今現在の不動産市場を正確に把握することが可能になります。その結果、ラッキーバンク側の融資審査精度もさらに向上することができると考えています。

より自信を持って提供できるファンドを増やすため

 2つ目に、より自信を持って提供できるファンドを増やす狙いがあります。貸金業は融資する先が増えれば増えるほどリスクは高まっていきます。融資を実行する際には、借り手から必要な書類を提供してもらい、念入りに調査、審査を行いますが、それだけで全てのリスクを完全に把握できるわけではありません。

極端な言い方をすると、一度、融資が実行されてしまえば、その後は、借り手を信じて待つしかないのが貸金業です。

一方、グループ会社のLBIリアルティであれは、外部の借り手とは異なり、キャッシュフローの状況や現在の預金残高、所有する物件の価値やその出口戦略など、全てを正確に把握した状態で融資をすることができます。

LBIリアルティへの融資をファンドに組み込みことで、当社としても、より自信を持ってオススメできるファンドの数が増えることになります。

不動産市場における情報の非対称性を解消する目的

 3つ目の理由としては、新興不動産事業者とのネットワークを広げる目的があります。

不動産事業者には、物件の仕入れが強い会社、売却が得意な会社など、それぞれ特徴があります。LBIリアルティを通じて、様々な不動産事業者と取引を行うことで、各社の強みを把握することができます。取引実績を積み重ねれば、その実績をベースに、これまでとは違った軸で融資をすることが可能になると考えています。

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今後のラッキーバンクについて

 将来的には、国内だけでなくグローバルに展開していくことを目指しています。海外の投資家に対して国内の不動産案件を紹介したり、逆に、日本の投資家の皆さまにも良質な海外の不動産案件をご紹介できるようになれれば良いなと考えています。

また、商品のラインナップも増やしていきたいですね。具体的には、節税に使えるタックスインセンティブ商品の開発を検討していく予定です。これから遺産相続によって、団塊世代、団塊ジュニア世代から、より若い世代に資産が移行していくことが予測されます。

そうなると、相続を受けたネットリテラシの高い人たちが、ネットを活用し節税商品を検索、購入するという時代が間もなくやってくるのではないかと予測しています。そんな時に当社がその受け皿となり、簡単、便利に利用できる節税商品のプラットフォームになれていたら良いなと思います。

ラッキーバンクは、今後も、不動産を軸に価値のある投資機会を皆さまに提供していきたいと考えています。ぜひ、不動産に関するお悩みや質問があればお気軽にご相談いただけると嬉しいです。

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執筆者紹介

クラウドポート編集部

株式会社クラウドポートの公式アカウント。国内・海外のソーシャルレンディングに関する様々な情報をお届けします。