アメリカ株(米国株)は、国内の証券会社でも購入が可能で、アメリカ株を取り扱っているネット証券もあります。
そこで今回は、アメリカ株の特徴や購入方法、取り扱いがあるネット証券を解説します。
目次
アメリカ株(米国株)の特徴
まずは、アメリカ株の特徴について解説します。
1株から売買可能
日本株には単元株制度があるため、ほとんどの銘柄は100株単位で売買する必要があります。株価1,000円の銘柄を売買するときは、10万円(1,000円×100株)を用意しなくてはなりません。
しかし、アメリカ株には単元株制度がなく、すべての上場株式・ETFが1株単位で売買可能です。
たとえば、iPhoneで有名なアップル社は、2018年9月26日の株価(終値)が220.42米ドルなので、約25,000円(1米ドル=113円で換算)で1株購入できます。※1
株価によって最低投資金額は異なりますが、アメリカ株は1株から購入できるので、多額の資金を用意しなくても投資を始められます。
【単元未満株の詳細はこちら】
取引時間は日本だと深夜帯
日本とアメリカには時差があるため、アメリカ株の取引時間は日本だと深夜帯になります。
アメリカ株の取引時間(標準時間)は、日本時間の23:30~6:00(現地時間9:30~16:00)です。
アメリカでは、3月第2日曜日から11月第1日曜日までサマータイム(夏時間)が実施されるので、サマータイム期間中は日本時間の22:30~5:00が取引時間になります。
アメリカ株は取引時間が深夜帯になることから、日中は仕事で忙しい人でも帰宅後に取引できるメリットがあります。
ストップ高などがない
日本株には、株価の急騰や暴落によって市場が混乱しないように、株価の1日の値幅を制限しています。
値幅の制限まで上昇することを「ストップ高」、値幅の限界まで下落することを「ストップ安」といいます。
しかし、アメリカ株には日本株のような値幅制限がないので、状況によっては株価の急騰や暴落の可能性があります。
アメリカ株は急騰すれば大きな利益を得られますが、暴落により1日で資産の大半を失うリスクもあることを理解しておきましょう。
配当金の分配頻度が多い
日本株の配当金は、通常は年1回または年2回の頻度で株主に分配されます。
一方、アメリカ株は配当を四半期に1回実施する企業が多いので、年4回配当金を受け取れる可能性があります。
配当利回りが同じでも、アメリカ株のほうが早く配当金をもらえる特徴があります。
アメリカ株(米国株)の購入方法(買い方)
次に、アメリカ株の購入方法について解説します。
外国株の口座開設が必要
アメリカ株を購入するには、証券会社で外国株の口座を開設する必要があります。証券口座を開設していても、別に手続きが必要な証券会社が多いです。
ネット証券なら、ログイン後画面から外国株の口座開設申し込みが可能で、手続きはオンラインで完結します。
また、これから証券口座を開設する場合は、外国株の口座も同時に開設できます。
ただし、楽天証券のように、証券口座を開設するだけでアメリカ株の売買ができる証券会社もあります。
日本円から米ドルに両替
アメリカ株は米ドル建ての取引なので、日本円から米ドルに両替する必要があります。
ネット証券では証券口座のログイン後の画面で、米ドルへ両替できます。米ドルの両替時にはスプレッド(為替手数料)がかかることに注意しましょう。
SBI証券のように、提携金融機関(住信SBIネット銀行)で両替した米ドルを外国株口座へ資金移動できるネット証券もあります。
ただし、SBI証券、楽天証券、マネックス証券では円貨決済もできるので、米ドルに両替せず、日本円の買付余力でアメリカ株を購入することも可能です。
銘柄を選んで注文
米ドルへの両替が終わったら、アメリカ株の取引画面で銘柄を検索し、購入する銘柄を選んで注文します。
注文方法は、日本株と大きな違いはありません。
数量と価格(成行または指値)を入力し、決済方法(円貨決済または外貨決済)、口座(特定口座、NISA口座など)を選択して買い注文を出します。
最後に注文照会画面を確認して、注文内容が反映されていれば手続きは完了です。
アメリカ株(米国株)の取り扱いがあるネット証券
最後に、アメリカ株の取り扱いがあるネット証券を3つ解説します。
SBI証券
SBI証券では、証券口座開設後に外国株口座を開設するとアメリカ株を売買できます。
SBI証券のアメリカ株は、以下3つのサービスを提供しています。
- 米国貸株サービス
- 米国株式・ETF定期買付サービス
- 住信SBIネット銀行との外貨入金サービス
米国貸株サービスは、保有しているアメリカ株をSBI証券に貸し出すと金利が受け取れるサービスです。貸株中でも配当が受け取れるので、収益機会を増やすことができます。
米国株式・ETF定期買付サービスは、アメリカ株をあらかじめ設定した日に自動で買付してくれるサービスです。
自分で買いどきを判断する必要がないので、手間がかからないのがメリットです。また、利益に対する税金が非課税になるNISA口座にも対応しています。
住信SBIネット銀行との外貨入出金サービスは、住信SBIネット銀行の外貨預金とSBI証券口座を連携し、米ドルを手数料無料で入出金できるサービスです。
このように、SBI証券はアメリカ株に関するサービスが豊富なのが特徴です。
楽天証券
楽天証券は、証券口座を開設するだけですぐにアメリカ株を売買できるのが特徴です。
取引ツール「マーケットスピード」に対応しており、10種類以上のテクニカルチャートなど豊富なツールを使いながらアメリカ株を売買できます。
また、投資情報サービス「バロンズ拾い読み」を無料で提供しており、アメリカで有名な投資週刊誌「バロンズ」の中から日本の投資家に役立つ記事を厳選して無料配信しています。
マネックス証券
マネックス証券も、アメリカ株の取扱銘柄数やサービスが充実しているネット証券です。
主要ネット証券で唯一、アメリカ株の時間外取引に対応しているのが特徴です。
マネックス証券では通常の取引時間に加えて、市場が開く前の1時間半(プレ・マーケット)と市場が閉じた後の4時間(アフター・マーケット)も取引できます。
取引時間外の突然のニュースや決算発表にも素早く対応できるので、収益機会を逃しません。
また、アメリカ株の取引専用のスマートフォンアプリ「トレードステーション米国株」を提供しており、スマホからもアメリカ株の取引が可能です。
まとめ
アメリカ株は日本株とは特徴や購入方法が異なるため、取引を始める前に違いを理解しておく必要があります。
また、ネット証券ごとにさまざまなサービスが用意されているので、自分に合うサービスを利用して取引することが大切です。
※1: 米国株式:株価(アップル社)