夜に急な用事でお金が必要になったときや、平日の日中にお金をおろせない人にとって「ATMの時間外出金」にかかる手数料は大きな悩みどころの一つです。
住信SBIネット銀行は、ATMの利用手数料がお得なネット銀行の一つです。
今回は、そんな住信SBIネット銀行について、メリットやポイント、さらにお得なプログラムについて解説します。
住信SBIネット銀行とは
住信SBIネット銀行は、大手銀行の三井住友銀行と大手ネット証券のSBI証券が共同で出資するネットバンクです。
SBI証券へ入金をしなくても、株や投資信託の買い付け資金として充当される「SBIハイブリッド預金」や、スマートフォンアプリで残高などを管理できる「スマホアプリSBIネット銀行」が利用できます。
また、入出金や送金手数料が低く抑えられるというメリットもあります。
住信SBIネット銀行のポイント・メリット
ここからは住信SBIネット銀行のポイントとメリットについて解説します。
ハイブリッド預金で普通預金の金利を上げることが可能
住信SBIネット銀行には「ハイブリッド預金」というサービスがあります。
ハイブリッド預金は、普通預金とは別管理されているSBI証券と提携した円預金です。ハイブリッド預金に預け入れているお金をSBI証券での株や投資信託の購入資金として充当することができる便利なサービスです。
この「ハイブリッド預金」ですが、メリットとしてその「便利さ」だけではなく「預金金利が高い」というものも挙げられます。
住信SBIネット銀行の普通預金口座は、年間の金利が0.001%ですが、ハイブリッド預金の年間の金利は0.01%です。(2018年5月時点)
普通預金からハイブリッド預金へお金を振り替えておくだけで、年間10倍の金利がもらえるようになります。国内の各銀行預金金利が0%に近い現状において、預金でお金を少しでも増やしたいという方にはメリットとなるでしょう。
【SBI証券について詳しく知りたい方はこちら】
休日や夜でもATM出金手数料が低い
普段、銀行口座からATMでお金を引き出そうとする際は、平日の17時以降や土日・祝日は出金手数料が多くかかってしまったり、休日は出金時間が制限されていたりする場合が少なくありません。
しかし、住信SBIネット銀行の場合だと、時間帯や土日・祝日などにかかわらず、出金手数料は変わらず無料です。(回数制限あり)
土日でも深夜でも、ATMが稼働している時間帯であれば平日の日中と同様の手数料でお金を引き出すことができます。
住信SBIネット銀行同士なら振込手数料が0円
住信SBIネット銀行は、他行への振込手数料については上限付きで無料になりますが、住信SBIネット銀行同士の他名義への振り込みであれば、回数制限なく無料で利用することができます。
月15回まで他行への振り込みが手数料0円
住信SBIネット銀行は、他行への振り込みが月あたり最大15回まで無料です。
この「他行振り込みが無料となる回数」は住信SBIネット銀行の「スマートプログラムのランク」によって異なります。
最もランクの低い「ランク1」の場合は、月1回まで他行への振込手数料が無料となります。最もランクの高い「ランク4」までランクアップをすると月15回まで他行への振込手数料が無料になります。
月2〜15回までコンビニATMでの出金手数料が無料
住信SBIネット銀行は、コンビニATMからの出金が月2~15回まで無料で利用できます。
ATMからの出金についても、他行への振込手数料と同様に「スマートプログラムのランク」によって月の無料回数が異なります。
最もランクの低い「ランク1」の場合は月2回までしか無料で利用できませんが、「ランク4」までランクアップすると、月に15回までの利用が可能です。
スマートプログラムがお得
スマートプログラムのランクによって、手数料において優遇されることがわかりましたが、スマートプログラムとはどのような制度なのでしょうか。
スマートプログラムは、ある条件を満たすことにより1~4の階段方式でランクアップをすることができるサービスです。
ランクアップすることにより、月ごとに出金手数料や他行への振込手数料が無料になる回数が増えます。
ランクごとの優遇内容は以下の通りです。
ランク1 | ランク2 | ランク3 | ランク4 | |
---|---|---|---|---|
ATM出金手数料が無料の回数 | 2回 | 5回 | 7回 | 15回 |
他の金融機関宛 | 1回 | 3回 | 7回 | 15回 |
ランク4になるともらえるボーナスポイントが50ポイントもらえます。これは「スマートプログラムポイント」と呼ばれる、外貨預金や口座振替、純金積立を行うことによりもらえるポイントです。1ポイントを1円として、500ポイント以上で現金等と交換することができます。※2018年6月より終了
「スマートプログラム」でランクを上げる方法は?
「スマートプログラム」のランクを上げる方法は、段階によって異なります。
「ランク1」から「ランク2」にランクアップ
まず、「ランク1」から「ランク2」になるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 総預金残高が月末に30万円以上
- ロボアドバイザー資産運用残高が月末に10万円以上
- 30歳未満
- 以下8つの条件のうち2つ以上に該当する
・外貨普通預金・外貨定期預金の月末残高がある
・仕組預金の月末残高がある
・SBIハイブリッド預金の月末残高がある
・カードローンの月末借入残高がある(50万円以上2つにカウント)
・目的ローンまたは不動産担保ローンの月末借入残高あり
・純金積立の契約が月末時点である
・給与、賞与、年金の振込あり
・VISAデビットカードを月1万円以上利用(3万円以上2つにカウント)
・BIG・toto購入と公営競技入金月内合計2万円以上
・ミライノカード当月確定金額1万円以上(1カウント)、5万円以上(2カウント)
「ランク2」から「ランク3」にランクアップ
次に、「ランク2」から「ランク3」にランクアップするには、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
- 総預金残高が月末に300万円以上ある
- 住宅ローン月末残高がある
- ロボアドバイザー資産運用残高が月末に100万円以上
- 「ランク1」から「ランク2」にアップする条件(8つ)、のうち3つ以上を満たす
「ランク3」から「ランク4」にランクアップ
最後に、「ランク3」から「ランク4」へランクアップするには以下のうち1つを満たす必要があります。
- 外貨預金+仕組預金が月末に合計500万円以上ある
- 外貨預金+仕組預金が月末に合計300万円以上あり、住宅ローンの月末残高がある
またクレジットカード「ミライノカード」の発行(入会)、かつ住信SBIネット銀行を引き落とし口座に設定することで、基本ランクの設定が2ランクアップします。(ランク2の方がミライノカードを発行した場合、ランク4へ)
口座を複数に分けられる
通常の銀行の場合、口座の数は原則として、「1人につき1口座まで」という制約があります。しかし住信SBIネット銀行の場合、「1人につき最大5口座まで」を同銀行に開設することができます。
住信SBIネット銀行ではこの制度を「目的別口座」と呼んでいます。
住信SBIネット銀行に「代表口座」とは別に「生活費用の口座」や「学費のための口座」、「旅行のための口座」など、目的別に口座を開設することができるのです。目的別口座は、それぞれの口座に口座名義人が「生活費用」や「学費用」などの名前を付けることができます。
住信SBIネット銀行とSBI証券を連携するもう一つのメリット
住信SBIネット銀行とSBI証券を連携することで円預金の金利が高くなる「SBIハイブリッド預金」を解説しましたが、このサービス以外にも連携するメリットが存在します。
それは外国株を購入する際に住信SBIネット銀行で外貨を購入し、SBI証券で外貨決済することで為替手数料を比較的低くすることが可能になることです。
例えばSBI証券で米国株を購入しようとする場合、円貨決済か外貨決済を選択することができます。円貨決済をする場合は、1ドルあたり25銭がかかりますが、外貨決済は為替手数料がかかりません。
そのため住信SBIネット銀行で米ドルを購入しておき、SBI証券と連携しておくことで、外貨決済をリアルタイムで行うことが可能です。住信SBIネット銀行の1ドルあたりの為替手数料は4銭のため、円貨決済よりも低い手数料で取引することができます。※2018年10月時点
SBI証券で米国株などの外国株の購入を検討している方などは上記のような使い方も可能のため、住信SBIネット銀行とSBI証券の2つの口座開設を検討しておきましょう。
住信SBIネット銀行各種手数料や取扱について
最後に、住信SBIネット銀行の金利や手数料などを解説します。
取扱 外貨預金などの取扱について
住信SBIネット銀行で取扱がある外貨預金は、アメリカドル、ユーロ、イギリスポンド、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アフリカランドの9通貨です。
それぞれの年間金利は以下の通りとなります。(2018年8月時点)
米ドル | 0.45% |
---|---|
ユーロ | 0.001% |
英ポンド | 0.001% |
豪ドル | 1.000% |
NZドル | 1.000% |
カナダドル | 0.450% |
スイスフラン | 0.001% |
香港ドル | 0.001% |
南アランド | 3.600% |
銀行によっては預金する通貨の量によって金利が異なるものもありますが、住信SBIネット銀行の場合は、一律となっています。
また外貨の普通預金として取り扱われている通貨すべてが「外貨の定期預金サービス」の対象となっています。以下が定期預金サービスの1ヶ月から1年の金利です。(2018年8月時点)
通貨 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 |
---|---|---|---|---|---|
米ドル | 1.400% | 1.400% | 1.800% | 1.900% | 2.000% |
ユーロ | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% |
英ポンド | 0.150% | 0.150% | 0.200% | 0.200% | 0.300% |
豪ドル | 1.300% | 1.600% | 1.700% | 1.800% | 2.000% |
NZドル | 1.500% | 1.800% | 1.800% | 1.800% | 2.000% |
カナダドル | 0.600% | 0.600% | 0.700 % | 1.000% | 1.300% |
スイスフラン | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% | 0.001% |
香港ドル | 0.600% | 0.600% | 1.200% | 1.400% | – |
南アランド | 5.000% | 5.600% | 5.700% | 6.100% | 6.200% |
【外貨預金の金利比較はこちら】
普通預金金利
住信SBIネット銀行の普通預金金利は以下の通りとなります。(2018年8月時点)
100万円未満 | 100万円以上 | |
---|---|---|
円普通預金 | 0.001% | 0.001% |
SBIハイブリッド預金 | 0.010% | 0.010% |
同じ預金口座でも「円普通預金」よりも「SBIハイブリッド預金」の方が、金利は高めに設定されています。
定期預金金利
住信SBIネット銀行の定期預金金利は金額や期間に限らず、一律0.020%となっています。
振込手数料
次に、住信SBIネット銀行から他行へ振込を行なう際の手数料は以下の通りとなっています。
住信SBIネット銀行の口座宛て | 0円 |
---|---|
他の金融機関宛て | ランクに応じて合計で月1~15回無料。 それ以降は1回154円(税込) |
組戻し手数料 | 864円(税込) |
振替手数料 | 0円 |
他行への振込にかかる手数料は、ランクに応じて無料となるので、ある程度の預金を行なう予定のある方や投資も行ないたい方にとってはお得な内容と言えるでしょう。
コンビニATM出金手数料
最後に、住信SBIネット銀行のコンビニATMでの出金手数料は以下の通りです。
預け入れ | 無料 |
---|---|
お引出し | ランクに応じて合計で月2~15回無料。 それ以降は1回108円 |
残高照会 | 無料 |
カードローンの(借入・随時返済の場合) | 無料 |
ATMでの出金手数料についても、ランクが関係します。住信SBIネット銀行をお得に利用するには、ランクについて意識すると良いでしょう。
まとめ
必ずしも預金残高が多くなくとも、住信SBIネット銀行には1ヶ月あたり最低1回以上は、他行への振り込みやATM出金が無料になる特徴があります。
また、ハイブリッド預金を利用することにより、SBI証券で株や投資信託の購入がスムーズに行えたり、普通預金より多く金利を受け取れたりすることができるというメリットもあります。
ネット銀行の利用を検討している方は、各銀行の特徴も踏まえた上で口座開設をしましょう。