マネックス証券が運営するロボアドバイザー「マネラップ(MSV LIFE)」は、数あるロボアドバイザーの中で、1,000円から始めることができるなど特徴があります。
今回はロボアドバイザー「マネラップ(MSV LIFE)」について、評判と実績やメリット・デメリットについて解説します。
目次
ロボアドバイザー「マネラップ(MSV LIFE)」とは
「マネラップ(MSV LIFE)」は大手ネット証券のマネックス証券が2016年から始めたロボアドバイザーサービスです。
新しい投資一任運用サービスとして、多様な投資家のニーズに応えるべく、オンライン上で簡単に資産運用が始められるロボアドバイザーとして登場しました。
運用一任(ラップ)型ロボアドバイザー
ロボアドバイザーには、自分自身に合った運用方法を提案してくれるアドバイス型ロボアドバイザーと、提案に加えて自動で売買を行なってくれる運用一任型ロボアドバイザーがあります。
マネラップは、いくつかの簡単な質問に答えることで、自分自身に合った運用方法を提案してくれるだけでなく、運用資金を入金することで、自動的に金融商品を売買をしていく運用一任型のロボアドバイザーです。
普段多忙で投資を行うことができない方は、運用一任型ロボアドバイザーを活用することで、手間を比較的かけずに資産運用することができます。
【ラップ口座について詳しく知りたい方はこちら】
マネックス・セゾン・バンガードが運用
マネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社は、ネット証券のマネックス証券やマネックスグループ、カードビジネスや資産運用のセゾン投信などを手掛けているクレディセゾン、資産運用会社を手掛けているバンガードグループが出資を行い、2015年8月に設立されました。
それぞれの強みを活かしてスタートしたサービスが、運用一任型ロボアドバイザーのマネラップです。個人向けの新しい資産運用サービスとして、徐々に利用者数も増加しており、2018年3月末には、運用受託残高は約344億円を突破しています。※1
マネラップ(MSV LIFE)のメリット
最低投資金額が1,000円から可能
マネラップを始める際に必要な最低投資金額は1,000円となっています。
他のロボアドバイザーの最低投資金額を比較すると、Wealthnaviは10万円、THEOは1万円、楽ラップ(楽天証券)は10万円であることを考えると、マネラップは比較的低い金額と言えるでしょう。(2018年5月時点、マネーの手帳調べ)
そのため、投資初心者の方でも少額から手軽に資産運用を行うことができます。
国内・海外ETFで分散投資
マネラップは国内ETFと海外ETFの両方に分散投資を行なっています。
他のロボアドバイザーでは、海外ETFのみを対象にしているものもあります。地域での分散投資を考えた際には、マネラップを検討してみてもよいかもしれませんね。
資産を取り崩しながらの運用もできる
マネラップは、「ためる・たのしむ・そなえる」の3つの目的から運用方法を選択します。
その中でも、「たのしむ」という目的の場合には、資金を取り崩しながら運用をできるという仕組みになっています。
例えば、退職金などのまとまった資金をマネラップに預けて、月に一定額ずつ年金のように取り崩しながら運用を行なっていくことができます。
クレディセゾンのポイント運用サービスと連携
クレディセゾンが運営している永久不滅ポイントで資産運用体験ができる「ポイント運用サービス」とマネラップがサービス連携をしています。
永久不滅ポイントはセゾンカードを使用することで、1,000円につき1ポイント(1ポイント5円相当)が貯まります。このポイントで買い物がお得にできたり、ポイントで資産運用ができたりするなどのサービスが提供されています。
このサービス提携が始まったことでポイント運用サービスのマイページからポイント以外の資産運用に興味を持った方が簡単にマネラップでの投資体験をできるようになりました。
マネラップ(MSV LIFE)のデメリット
手数料が比較的高い
運用一任型ロボアドバイザーの一般的な手数料は1%前後です。
マネラップは、手数料を1%未満に抑えることを目指しており、運用一任型のロボアドバイザーの中では比較的手数料が低いという特徴があります。
しかしながら、ETFなどを自分自身で運用する場合と比較すると、手数料は比較的高くなるでしょう。
ETFの中には手数料(信託報酬)が0.2%前後などの銘柄もあり、こうした銘柄を自分自身で運用することで、ロボアドバイザーを活用せずに手数料を抑えることが可能です。
自動で運用してくれる手間の費用として、どのくらいの手数料を許容できるかを自分自身で判断する必要があると言えます。
【ETFの手数料について詳しく知りたい方はこちら】
特定口座・NISAに対応していない
ロボアドバイザーを始めるには、口座開設をする必要があります。
口座には種類があり、一般口座と特別口座の2種類があり、マネラップは一般口座のみの取引となります。
一般口座の場合は、確定申告に必要な年間取引報告書も確定申告も全て自分で行わなくてはなりません。
運用一任型のロボアドバイザーで運用の手間を省くことができているにもかかわらず、違う部分で手間がかかってしまうのはデメリットと言えるでしょう。
またマネラップではNISAを活用して資産運用をすることができません。資産運用まで自動的に行なってくれる他のロボアドバイザーでもNISAを活用することはできないため、理解しておきましょう。※マネーの手帳調べ(2018年6月時点)
解約・出金が比較的遅い
ロボアドバイザーの資産運用で解約を手続きをした場合、運用会社側が保有・運用している資産を市場で売却し現金化を行ないます。
その後、各種手続きなどを経て、指定口座に入金されますが、この入金までに時間がかかります。4日や1週間など各ロボアドバイザーで異なりますが、マネラップでは最低1週間程度から、最大3週間以上かかります。
解約申込した日 | 解約となる日 |
---|---|
毎月11日の5営業日前まで | 申込月の11日(休日・祝日の場合は翌営業日)の2営業日後の日 |
毎月11日の4営業日前の日から20日の2営業日前の日まで | 申込月の20日(休日・祝日の場合は翌営業日)から起算して5営業日後の日 |
毎月20日の前営業日から月末まで | 申込翌月の11日(休日・祝日の場合は翌営業日)の2営業日後の日 |
※2(2018年6月時点)
解約する場合はタイミングをしっかりと調べた上で、解約申し込みを行う必要があることに注意が必要です。
マネラップ(MSV LIFE)の運用実績
マネラップの運用実績をファンド別(期待リスク・期待リターン別)に見ると以下のようになります。
ファンド名 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 設定来 |
---|---|---|---|---|---|
MSV内外ETF資産配分ファンド、Aコース | -0.13% | -3.21% | -2.57% | -0.83% | -4.43% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Bコース | -0.21% | -3.66% | -2.72% | -0.93% | -6.50% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Cコース | -0.39% | -4.53% | -3.00% | -0.23% | 0.40% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Dコース | -0.82% | -5.50% | -3.15% | 0.58% | 1.98% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Eコース | -1.17% | -6.06% | -3.03% | 1.47% | 4.17% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Fコース | -1.52% | -6.29% | -2.70% | 2.44% | 7.37% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Gコース | -1.82% | -6.58% | -2.58% | 3.10% | 10.06% |
MSV内外ETF資産配分ファンド、Hコース | -2.17% | -6.93% | -2.31% | 3.85% | 12.74% |
※3(2018年3月末時点)
マネラップでは、運用タイプに合わせてAからHまでのコースが用意されています。Aコースは期待リターン・リスクが1番低く、Hコースは期待リターン・リスクが1番高くなっています。
運用タイプによって、それぞれに組み入れられる銘柄が異なりますが、ある時期によっては、約7%ほどマイナスになっていることもあり、設定来プラス12%以上となっていることもあります。
マネラップとマネックスアドバイザーの違い
マネックス証券では、資産運用までを自動的に行なってくれるマネラップ以外にもマネックスアドバイザーというロボアドバイザーが提供されています。
マネックスアドバイザーは運用方針などに応じてポートフォリオを提案し、そのポートフォリオに構成されている銘柄を自分自身で購入し、その後の売却やリバランスも自分自身で行う必要があるサービスです。
手間が比較的かかる分、マネックスアドバイザーはマネラップより各手数料は低めに設定されており、自分自身で運用していきたいなどを考えている方は検討してもよいでしょう。
マネラップ(MSV LIFE)の始め方
マネラップは、口座開設前に無料シミュレーションを行うことができるため、自分に合っているかどうかを確認できます。
無料シミュレーションとそれぞれの手続きの詳細について見ていきましょう。
無料でシミュレーション
マネラップは、各種登録を行わずに誰でも無料でシミュレーションを行うことができます。
マネラップは、おまかせコースとカスタマイズコースの2種類のコースが用意されています。
カスタマイズコースには「ためる・たのしむ・そなえる」などのサービスが充実しているため、無料シミュレーションで事前にサービスを確認できます。
マネックス証券で口座開設
マネラップで資産運用を始めるには、マネックス証券で口座開設を行う必要があります。マネックス証券の口座開設完了後は、投資一任口座を申し込むことによってマネラップの利用ができるようになります。
証券会社において口座開設を行う場合には、本人確認の書類としてマイナンバーの提出が必須になっているので、事前にしっかりと準備しておくようにしましょう。
口座に入金して運用を始める
マネラップの口座に入金するには、一度マネックス証券の総合取引口座に入金する必要があります。マネックス証券の総合取引口座に入金した後は自動的に投資一任口座に振替が行われます。
入金方法は、即時入金サービス、マネックスセゾンカードが利用できるATMからの入金、銀行振り込みなどが挙げられます。銀行振り込みの場合、各金融機関が定めている手数料が発生するので、即時入金サービスを提供している金融機関で事前に口座開設を行なっておくと便利でしょう。
まとめ
マネラップは、最低投資金額が1,000円と低く設定されているため、手軽に資産運用を行うことができるロボアドバイザーです。
しかし、一般口座でしか取引ができず、スマホアプリがないなど利便性が低くなってしまうような部分も見られます。事前にマネラップのメリットとデメリットを確認してから、実際始めるかを検討しましょう。
※1:2018年3月末の運用受託残高について
※2:マネラップ、手続き等に関するご質問
※3:運用実績情報開示(2018年3月末時点)