XPは2016年8月に発行が開始された仮想通貨ですが、ビットコインなどの数ある仮想通貨の中でもまだ比較的知名度が低く、これからの普及が期待される草コインの1つです。
今回はXPについて、その特徴や購入方法、マイニング方法までを解説します。
目次
XPとは
XPとは、「Experience Point」の略称で、Experienceは「経験」を意味しており、イベントをクリアして経験値を貯めた場合の報酬としてもらえることを想定して作られた仮想通貨です。
XPは以下のような使い方が想定されています。
- ゲームの購入代金として使用される
- ゲームをクリアした際にもらえる
- 大学を卒業した後にもらい、次のキャリアに活用できる
- スポーツイベントや地域イベントに活用される
XPはすでに実用化されており、「XP Market」というサイトでXPを使用してプリペイドカードを購入し、オンラインゲームサイトでゲームの購入に利用することが可能です。
XPの基本情報
XPの基本情報は以下の通りです。
発行日 | 2016年8月26日 |
名称 | XP(Experience Point) |
承認方式 | PoS(Proof of Stake) |
発行枚数上限 | なし |
開発者 | 一代目不明、二代目Evangero氏 |
時価総額 | 約60億円(時価総額ランキング220位) |
価格 | 約0.027円 |
※1、3(2018年4月25日時点)
XPの特徴
マイニング方式はPoSを採用
主なマイニング方式(承認方式)として、PoWとPoSの2つが挙げられますが、それぞれ特徴と課題があります。
PoW(Proof of Work)は、主にビットコインなどで用いられているマイニング方式で、難しい計算式を早く処理した人の承認作業が採用される仕組みになっています。
難しい計算式を早く処理するためには、高性能なコンピュータが必要になるため、初期投資が大きくなる以外に、コンピュータを稼働させるために大量の電力を消費してしまうというデメリットがあります。
これらの課題を解決するマイニング方式としてPoS(Proof of Stake)が登場しました。
PoSは仮想通貨の保有量が多い人の承認作業が採用される仕組みになっているため、PoWのように高性能なコンピュータを必ずしも必要とせず、該当する仮想通貨を多く保有していれば誰でもマイニングに参加できます。
日本人コミュニティが数万人
これまでにコミュニティが盛り上がったことによって価格が急騰した仮想通貨の中には、モナコイン(Mona)やビットゼニー(BitZeny)などが挙げられます。
コミュニティが大きければ大きいほど、コミュニティ内で使われる仮想通貨の量が増えるため、仮想通貨の需要が高まり、価格が上昇するようになると言えるでしょう。
XPの日本コミュニティのユーザー数は数万人で、コミュニティ内で開設されているチャンネル数も増えてきているようです。
チャンネルでは、XPの今後の価格動向や最新情報などで盛り上がったり、開発チームへの要望や開発などについて話し合われたりするなど、XPの価値を高めるためにユーザーが積極的に意見交換しています。
XPの価格推移
XPが発行されてから1年程度は価格に大きな変動はありませんでしたが、2017年の年末にかけて仮想通貨全体の価格が上がった影響を受けたこともあり、価格が大きく上昇しました。
XPは通称草コイン(1円以下)と呼ばれる仮想通貨に分類されますが、1枚あたりの価格が低いほど、価格の上昇した際の値上がり率も大きく、この価格上昇でXPの注目度は高まりました。
2018年以降は、XPのマイニングによる報酬が60%削減されたことや海外の大手仮想通貨取引所の1つであるBinanceに、上場銘柄のリストとしてノミネートされたこともあり、さらに価格が上昇しました。※1
2018年4月時点では、仮想通貨全体の価格が下落していることもあり、2017年末や2018年初頭と比較すると価格は大幅に低下しています。
XPの今後
2018年以降、XPのマイニング報酬が実質40%になる新しいウォレットの提供を開始するハードフォークが完了し、新しいスタートを切ったXPでしたが、2018年はさらなるイベントが控えています。※2
ロードマップでは、XPカジノやXPマーケットの拡張などが掲げられていますが、通貨の価格には、需要の有無が欠かせないため、この2つのイベントのイベントの重要といえるでしょう。
XPを購入できる仮想通貨取引所
XPは国内の仮想通貨取引所に上場していないため、購入する場合は、上場されている海外の仮想通貨取引所に口座を開設する必要があります。
海外の仮想通貨取引所では、日本円での取引に対応していないため、一度国内の仮想通貨取引所でビットコインなどを購入して、海外の仮想通貨取引所に送金しなければなりません。
国内の仮想通貨取引所は、口座開設までに時間がかかるため、かかる時間を短くしたい場合は、先に国内の仮想通貨取引所で口座開設をすると良いでしょう。
XPを購入できる主な海外の取引所は以下の4つです。(マネーの手帳調べ、2018年4月25日時点)
- Coin Exchange
- Coin Markets
- Trade Satoshi
- Crypto Bridge
この中でも、XPの取引量が特に多いのがCoin Exchangeです。※1(2018年4月時点)
Coin Exchangeは、2016年にイギリスで設立された仮想通貨取引所です。草コインと呼ばれる1円以下の仮想通貨を数多く取り扱っているのが特徴となっています。
XPをマイニングする方法
XPはPoSのマイニング方式を採用しているため、XPを保有していなければマイニングを行なうことができません。
PoSマイニングを行なう方法として、ソロマイニングとプールマイニングが挙げられます。それぞれの違いについて見ていきましょう。
ソロマイング
ソロマイニングとは、自分自身(1人)で仮想通貨のマイニングを行なうことです。
マイニングを行なうためには、複雑な手続きや準備が必要なのではと心配になる人もいるかもしれませんが、XPのマイニング手順は比較的簡単です。以下よりその手順を解説します。
まずはXPの公式サイトにアクセスします。※3
日本語に対応していませんが、心配な場合にはGoogleの翻訳機能を活用してみても良いでしょう。
公式サイトのトップ画面に「Download Wallet」という文字が表示されているのでクリックすると、次は使用している端末に合わせたウォレットを選択する画面に移ります。
ウォレットを選択し、クリックすると使用しているパソコン上でダウンロードが始まります。ダウンロードが完了してもすぐに利用することができず、同期が完了するまでは利用できません。
同期が完了した後は、購入したXPをウォレットに送信することでマイニングを始めることができますが、XPの保有量によって、マイニングの成功率も変わってくるため、より多くのXPを購入しておく必要があります。
2018年4月25日時点の1XPは約0.027円なので、仮に1000万XPを保有してマイニングに挑戦する場合は約27万円が必要になります。※1
プールマイニング
プールマイニングとは、複数人でマイニングを行なうことによって成功率を上げ、その報酬を参加者で分け合う方法です。
PoW方式のマイニングで必要な高性能なコンピューターは必要なく、私用のパソコンでプールマイニングを行なっているサービスに登録し、XPを預けておくことで気軽に参加できるのがメリットです。
XPのプールマイニングができるサービスとしては、Simple POS Poolがあります。特徴は以下の通りです。
- 登録費用や管理費用が無料
- 手数料は報酬の3%
- 従来のようにパソコンを立ち上げておかなくてもいい
- 預金金額に制限なし
- 引き出し金額に制限なし
- XP以外に対応している仮想通貨も多い
※4
プールマイニングの場合は、マイニングの成功率が上がるものの、管理費用や手数料などの手数料が多くかかってしまうため、報酬が少なくなってしまうデメリットがありました。
しかし、Simple POS Poolは手数料設定がシンプルであるため、安心して利用できるだけでなく、対応している通貨も多いのが特徴となっています。
【仮想通貨のマイニングについて詳しく知りたい方はこちら】
まとめ
XPはPoS方式のマイニングや日本人コミュニティがある、海外の仮想通貨取引所でしか購入ができないなどの特徴があります。
1円以下の草コインに分類されるため、相応のリスクもあります。他の仮想通貨や今後のロードマップ、価格推移などを比較しながら、購入する際は十分検討する必要があるでしょう。
※1:CoinMarketCap、Experience Points (XP) 価格
※2:XPロードマップ(2018年1月時点)
※3:https://www.xpcoin.io/
※4:SimplePOSPool